目を覚ますとそこは、見知らぬ廃墟だった。
少女は困惑した。
それも無理は無い。
いきなり、自身が拉致されたのだ。
しかし、少女の困惑はそこだけでは無い。
その廃墟が、
ちゃんとした鉄コンだったからだ。
少女の住む孤児院の付近には、
廃墟はあっても、その殆どが木造建築なのである。
つまり、全く知らない場所に連れてこられたのだ。
これは困る。明日は三者面談なのだ。
面倒だが、学校に行かねば
後日、もっと面倒なことになる。
そんな事を考えていると、袈裟を着た男が現れた。
少女は顔を上げ、笑顔で答える。
その様子に男は呆れて言った。
男は苦笑しながら、話を進める。
「東京」
その言葉を聞いて、あなたの目が少し輝いた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。