第3話

帰ってこない
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2021/05/03 08:09
夏油傑
じゃあ、行ってくるよ。
大人しく待っていてね。
そんな言葉を残して、男はふらりと出て行った。
それきり、帰って来ることは無かった。
あなた
あの人、全然帰ってこないな。
···流石にお腹減ったなぁ。
一人呟くと、足音が聞こえてきた。
文句の1つでも言ってやろうと
口を開きかけたその時、
相手があの男では無いことに気が付いた。
五条悟
まったく、アイツ
悪趣味なことをする···。
五条悟
助けに来たよ。
君があなたの名字あなたの下の名前だね?
この声には、聞き覚えがあった。
先日高専からかかってきた電話の相手と同じ声だ。
あなた
はい、私があなたの名字です。
貴方は、呪術高専の
五条悟さん···ですか?
五条悟
大当たり〜。
来年、君の担任になる予定だから
五条先生って呼んでね〜。
あなた
わかりました、五条先生。
五条悟
うんうん、素直でよろしい!
じゃ、とりあえず
ここから出よう。
五条はそう言って、あなたの拘束を解く。
あなた
ありがとうございます。
五条悟
ん、どういたしまして。
ところであなたの下の名前、
君どれくらいここに居たの?
その質問にあなたは困ったように尋ねた。
あなた
えーっと、今日って
何日ですか?
ずっと暗い室内に居た為、
時間の感覚が分からなかったのだ。
五条悟
12月24日。
···いや、もうすぐ25日か。
あなた
あぁ、それなら、
1週間強ですね。
その答えに驚いたように五条は言った。
五条悟
その間に飲食は?
あなたは黙って首を振る。
五条悟
よし、今から食べに行こう。
何がいい?
あなたは顎に手をあて、少し考える。
あなた
···うどんでお願いします。
五条悟
うどん!?
遠慮しなくていいんだよ?
あなた
してませんよ?
今、重いもの食べたら、
吐くと思うので。
五条悟
なるほどね〜。
じゃあ元気になったら
たくさん食べさせてあげよう。
あなた
ありがとうございます。
その後、あなたは五条に連れられてうどん屋へ行き、
きつねうどんのハーフサイズを
堪能したのであった。

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