第4話

最後まで(優人Ver.)
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2018/08/31 12:23
医者
非常に危険な状態です
麻友子の母
そんな…
ふと、俺の頭の中に、麻友ちゃんの言葉がよぎる
「私は…人が怖いです」
人が怖いのは、なぜだろう?
麻友ちゃんが発してから、ずっと考えていること
麻友子の母
優人くん
神崎 優人
神崎 優人
はい
麻友子の母
麻友子、笑ってた?
神崎 優人
神崎 優人
はい
麻友子の母
そう…なら、いいわ、ありがとう
神崎 優人
神崎 優人
はい…
神崎 優人
神崎 優人
あの…
麻友子の母
ん?
神崎 優人
神崎 優人
麻友ちゃんは、人は、自分が死ぬことよりも怖いって言っていたんです
麻友子の母
…。
神崎 優人
神崎 優人
どうしてなんでしょうか
麻友子の母
麻友子は、前に学校でいじめられていたの…
だから、だと…思う
神崎 優人
神崎 優人
いじめ…
麻友ちゃんは、めったに笑わない。笑うといっても、俺の周りにいる友達みたいに
大きな声で楽しそうに笑うのではなく、さみしそうに笑う
そんな風に笑うのはきっと、怖いからだろう
小林 麻友子
小林 麻友子
お…かあ…さん…?
麻友子の母
麻友子!
小林 麻友子
小林 麻友子
先輩…?
神崎 優人
神崎 優人
麻友ちゃん
小林 麻友子
小林 麻友子
ご…ごめんなさい…私…また…
神崎 優人
神崎 優人
ううん、大丈夫
小林 麻友子
小林 麻友子
でも…
神崎 優人
神崎 優人
今は、ゆっくり休んで?
小林 麻友子
小林 麻友子
はい…
優人の家
神崎 優人
神崎 優人
ふぅ…
高校に入る時に無理に親に言って、用意してもらった家。
門限が厳しいうちには、居たくなかった。
だから、高校を入ると同時に別居、俺にとっては、最高だった。
神崎 優人
神崎 優人
ん?メール?カラオケか…
俺が麻友ちゃんと出会ったのは、高校2年生の時

親に頼って生きてきた俺にとって、麻友ちゃんは自由に生きる鳥のようだった。
自分の意思を頼りに自分で道を作って、自分の道を歩いてきた、
そんな風にしか見えなかった。まさに俺の理想だった。
神崎 優人
神崎 優人
あの!
小林 麻友子
小林 麻友子
はい?
気づいた時には、話しかけていた

透き通るような目、綺麗な髪、今にも触りたくなるような手
でも…どこか悲しそうだったのを今でも鮮明に覚えている
小林 麻友子
小林 麻友子
あの…なんですか?
神崎 優人
神崎 優人
え?あ、いや、その
小林 麻友子
小林 麻友子
用がないなら、私、行きますけど…
神崎 優人
神崎 優人
あ!そうだ!俺と今日、カラオケ行かない?
俺の友達もいるけど
小林 麻友子
小林 麻友子
行きません
神崎 優人
神崎 優人
そ、そっか…
小林 麻友子
小林 麻友子
それだけですか?
神崎 優人
神崎 優人
う、うん、今探しててさ…
小林 麻友子
小林 麻友子
なら、もっと楽しそうに笑ってる人を誘った方がいいです
神崎 優人
神崎 優人
う、うん
この時俺は、緊張で汗が止まらなくて、きっと、声も震えていたと思う。

俺は、人生初めて、一目惚れをした瞬間だった。
笑ったら?泣いたら?怒ったら?どんな顔をするんだろう?
以来、それしか頭になかった。
神崎 優人
神崎 優人
カラオケは…いいや…
あと何回、俺は君に会えるだろう?
あと何回、俺は君の名を呼んで、君は少し迷惑そうな顔をしながら、
「先輩」と言ってくれる?
ねぇ、君が大好きだから、俺の前から、消えないで
君の余命まであと、2週間

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