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2019/08/19

第18話

『初恋は君色に輝く①』
放課後になって、帰り支度をする。
南野柑奈
南野柑奈
(私が描いた絵って、どうなってるんだろう。ずっと無断欠席してるし、捨てられちゃったかも)
南野柑奈
南野柑奈
(あの時間は楽しかったけど、もう美術部には行けない。退部届けとか……書かないとダメかな)
ため息をついて、席を立つ。
すると、隣から伸びてきた手に腕をつかまれて……
南野柑奈
南野柑奈
えっ……
北川大輝
北川大輝
ちょっと、話があるんだけどいいかな
南野柑奈
南野柑奈
私、帰るから……――っ!?
グイッと思いっきり腕を引かれ、転びそうになりながらも、力でかなわない私は大輝くんについていくしかない。
南野柑奈
南野柑奈
待って、離して!
大輝くんは私の言い分を聞く気はないようで、そのまま廊下に出て階段を上がっていく。
南野柑奈
南野柑奈
どこに行くの!? ねえ!
大輝くんは何も答えない。







大輝くんに連れられてたどり着いたのは、校舎四階、美術室。

誰もいないこの教室は、しんと静まり返っている。
北川大輝
北川大輝
ごめん、無理やり連れてくるみたいな真似して……、──うわ!? どうした、柑奈
振り返って私の顔を見た大輝くんが思わず叫んだのは、私がポロポロと涙をこぼしていたから。
南野柑奈
南野柑奈
(大輝くんだ。私のそばにいて、私の名前を呼んでいる)
南野柑奈
南野柑奈
(本当はずっとさみしかった。……だけど)
北川大輝
北川大輝
俺、柑奈に何かしたかな? なんで急に……
南野柑奈
南野柑奈
(何かしたかって……そんなこと、本気で言ってるの?)
私は、大輝くんの手を思いっきり振り払う。

涙でにじんだモノクロの視界が、ゆらゆら揺れる。
南野柑奈
南野柑奈
かわいそうなんでしょ!? 私が! そう言ったんでしょ!? 同情してなんて頼んでない! それなら私は、ひとりでいい!
北川大輝
北川大輝
なんだよ、それ。俺は同情でそばにいたつもりはない
南野柑奈
南野柑奈
嘘つき! じゃあ、なんで海谷さんが知ってるの? 私のモノクロ症を! 大輝くんにしか言ってないのに……。なんで……
語尾がどんどん小さくなっていって、泣き顔を隠したいのに大輝くんは目の前にいる。
南野柑奈
南野柑奈
隠してたわけじゃないけど、でも……っ
北川大輝
北川大輝
本当に、俺じゃない。でも、俺がかわいそうって言ったのは本当だ
人の口から聞かされるのとは、全然違う。

大輝くんが今、私のことをかわいそうって……。

言葉が出なくなって、ただうつむいてしまう。
北川大輝
北川大輝
かわいそうだ。今まで柑奈の周りにいた奴、全員
南野柑奈
南野柑奈
(私の周りの……人?)
反射的に顔を上げる。
北川大輝
北川大輝
勝手に柑奈のこと不幸って決めつけて、本当は柑奈がいい子なんだって知らない奴はかわいそうだ。だから、海谷にもそう言った
南野柑奈
南野柑奈
(私のことじゃなかったの?)
我慢していた涙が、ポロッとこぼれる。