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2019/08/26

第19話

『初恋は君色に輝く②』
南野柑奈
南野柑奈
大輝くんはすごい。私、大輝くんになりたかった
北川大輝
北川大輝
俺は、それじゃ困る。柑奈は柑奈のままがいい。柑奈だからこそ出来ることがある。柑奈だからこそ、一緒にいたい人がいるんだよ
南野柑奈
南野柑奈
ううん、私じゃダメなの。大輝くんだったらきっと、モノクロ症だからって、凛ちゃんにもなるみちゃんにも嫌われることはなかった……
南野柑奈
南野柑奈
(本当は、分かっていた。悪いのは、モノクロ症のせいじゃないって。私自身の問題なんだって)
南野柑奈
南野柑奈
(今回のことだって、ちゃんと大輝くんの話を聞いていればよかったのに。本当に私はどうしようもない)
北川大輝
北川大輝
あのふたりが、それくらいで柑奈のこと嫌うはずがない
南野柑奈
南野柑奈
だって海谷さんがふたりの前で私のモノクロ症のことを……っ。ふたりとも、信じられないって顔してた……
南野柑奈
南野柑奈
(怖いのは色が見えないことじゃなくて、そのせいで周りから誰もいなくなること。だから、はじめから誰にも関わらないようにしようって決めていたのに。大輝くんと一緒にいると、大切なものが増えていく。嬉しくて、怖い)
北川大輝
北川大輝
大丈夫。そんなことで柑奈から離れていったりしない。ふたりはさ、きっと柑奈から聞きたかったんだ。人の口からじゃなくて。友達だから
南野柑奈
南野柑奈
友達……?
南野柑奈
南野柑奈
(そうなのかな。友達って、思ってもいいのかな)
南野柑奈
南野柑奈
私、凛ちゃんとなるみちゃんと友達になりたいって思ってもいいのかな
北川大輝
北川大輝
ふたりだけじゃないよ。これからもっと、皆、柑奈のことが好きになる
美術室の窓から、陽の光が差し込んでいる。
雲ひとつない空。それはきっと、青空。
南野柑奈
南野柑奈
(今日は、こんなにいい天気だったんだ。ずっとうつむいていたから、気づかなかった)
大輝くんが言っていた、太陽はキラキラ暖かな色で私たちを照らしている。
南野柑奈
南野柑奈
大輝くんはすごいね。いつもキラキラしてる。あったかい、太陽の色
大輝くんが、私の顔を見て目を見開いて驚く。
北川大輝
北川大輝
笑った……
南野柑奈
南野柑奈
え?
大輝くんの呟きに、私は自分の頬に両手を当てる。
南野柑奈
南野柑奈
(私、笑ってた?)
大輝くんの顔を見ると、いつもよりもグレーが少し濃くなったような、そんな色をしていた。

この色には、見覚えがある。
いつかの美術室で、自分の顔を鏡で見た時と同じ。
南野柑奈
南野柑奈
あれ?顔なんか違う。あ、照れるとそうなるんだよね、知ってる。顔……赤くなってる?大輝くんの好きな色だよね
大輝くんはいつも、一度も見たことのない色を私に見せてくれる。
北川大輝
北川大輝
うん、好きだ
南野柑奈
南野柑奈
やっぱり
北川大輝
北川大輝
好きだよ、柑奈のこと
思いもよらない告白の後、私の顔を見て大輝くんは笑う。
北川大輝
北川大輝
柑奈も、俺の好きな色になった






ふわふわ夢見心地な私の手を引いて、大輝くんは校舎の中に戻る。

階段を上がって、4階、美術準備室へ。

ひとつのキャンバスにかけられてある布をめくった。
北川大輝
北川大輝
最近ずっと、早起きして隠れてひとりで描いてたんだけどさ。やっと完成した。柑奈に見て欲しいんだ
そこから現れたのは……
南野柑奈
南野柑奈
これ……私?
ずっと濃いグレーに染まった顔が、私を見て笑う。

きっと私も、同じ。
大輝くんの大好きな、赤。
南野柑奈
南野柑奈
私も、本当はずっと描きたい絵があるの。まだ、間に合うかな







誰もいない美術室。

そこには、カラフルな彩りの中で笑う少女の油絵と、モノクロだけで描かれた笑顔の少年の絵が並んで置いてある。

それは窓の光に照らされて、キラキラと輝いていた。