あれは、私がまだ小学校二年生の頃。
学校で友達がいなかった私は、放課後に一人で公園で遊ぶのが好きだった。
私だって友達は作りたかったし、みんなとゲームとかして遊びたかった。
でも、人見知りが激しい私は声をかけられず、そのまま1人になってしまった。
学校が終わると、少し大きいランドセルを背負っていつもの公園に向かう。
その公園は、学校の門を出て右にまがって細い道をまっすぐ行ったところにある。
あまり目立たないちっぽけな公園。
私はこの場所が大好きだった。
人も来ないし、その公園には一本の大きな桜の木がある。
でも今はもう夏になり始め、桜の花びらは散ってしまい青い葉っぱが茂っている。
2人用のブランコと砂場しかない公園。
私は右側のブランコに座る。
そしてただぼーっとしているだけ。
でもそんな時間が私は大好きだった。
そんな時。
『おーい!何してんの??』
1人の男の子が話しかけて来ました。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。