学校が終わった後公園に向かう。
でもいつもと少し違う風景。
いつもは誰もいない公園に同じ制服を着た男の人がいる。
しかも私の定位置のブランコの右側。
しょうがないからベンチに座る。
それにしてもこんな所で何をしてるんだろう。
最近の男子高校生ってこんな公園に1人で来るものなのかな?
まぁ関係ないんだけどね。
そんなことを考えていると眠気が襲ってきていつのまにか公園のベンチで寝てしまっていた。
次に目を覚ましたのは肩をトントンと叩かれたときだった。
目を開けるとまだ視界がぼやけてよく見えない。
『あのさ、そろそろ起きたほうがいいんじゃない』
なんて無愛想な声が聞こえてくる。
だんだん視界が鮮明に見えてくる。
私の目の前にはとんでもない美青年。
さっきの同じ制服の男子高校生だ。
『聞いてる?そろそろ起きたほうがいいんじゃない?』
「は、はい。」
『もしかして高2?なんか見たことある顔』
「高2ですけど、」
『やっぱり。俺も高2』
見たことある顔って、、、
私は君のこと見たことないんだが?
流石にこんなイケメンがいたら一瞬で顔覚えるんだけどな。
「でも私君の顔見たことない。」
『あー、俺この前転校してきたばっかだから』
「そゆことね。」
『名前なんていうの?』
「キムあなた。2組だよ。君は?」
『俺はチョンジョングク。4組』
4組か、教室が4組だけ離れてるから見たことないわけだ。
『ていうかあなたさん。』
「さん付け?呼び捨てでいいよ笑」
『あー、じゃ遠慮なく。俺のこともグクでいいよ。』
「グク?了解」
『あなたさ、寝てる時いびきすごかったよ??』
「………はぁぁ?私がいびきなんかかくわけないでしょ?」
私のいびきがそんなに面白かったのかずっと笑っているグク。
その笑顔を見るとなぜか懐かしいような、よくわからない気持ちになった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。