私の弁当の中身は至って普通だ。
1箱に、ご飯と、おかずが入る器で、左側には、ご飯が入っており、右側には、おかずが詰められている。
「そういえば、新谷さん、好きな事ってあるの?」
と、加藤さんが聞く。
「あまり無いんだけど…強いて言うのなら読書ですかね…?」
「へぇー、読書か、凄いね‼️」
「そんなことは無いですけどね…」
「どういう系統の本を読むのですか?」
と、如月さん。
「そうですね、ミステリーやホラー系の本を読むことが多いですね。」
「漫画とかって読んだりしているんですか?」
「全く読まないです。」
「ストーーーップ!2人とも!」
と、佐藤さんが私たちの会話を止める。
「君たち、本当に同い歳です?!」
「「はい」」
私と如月さんの声がハモる。
「せっかくいい話しているのに、敬語じゃ堅苦しいよっ〜!」
「そんなことを言われましても…」
と、私は困惑する。
「堅苦しいぃー( ˘・з・)」
「いきなり、敬語除外は難しいです。
すみません。」
「でも、ぎこちない!!」
「それは、、そうかもしれませんが…」
「つまらないよー(๑´• ₃ •̀๑)」
「爽香、言い過ぎだよ。」
と、加藤さんが言う。
「…やはり、お邪魔でしたよね。
こんな私が居座ってて。
今すぐに別の場所に移動するので、、」
私は、そう言いながら弁当箱を仕舞った。
「楽しいお昼の時間を邪魔しまってすみませんでした。」
そう言って、お辞儀しながら退出した。
あまり戻りたくないが、教室に戻って、考え事をしながら、残りの、お弁当を食べていた。
"加藤さん達に悪いことをしてしまったな。
佐藤さんの言うことも分かるけど、、怖いんだ。
敬語が外れて、友達になって、のちのちに問題を起こすのが。
まだ、友達という存在が怖い。
それに関しては、加藤さん達だからとかは全く関係ない。
しばらくは、このままでいいんだ。"
そう、決心をした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。