第8話

【復帰、そして出会い】
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2021/12/18 09:49
2者面談から1週間後、発作も起こることなく熱も下がり、退院となった。
そして、退院した次の日から学校へ行った。





「…おはようございます…」





「…」





誰も返事をしなかった。
だけど、そんなの慣れっこだった。





しかし、誰も言わない中、1人だけ挨拶を返してくれた。





「おはよう!新谷!」





(え、どうして皆挨拶しないのに佐野さんはしてくれるの?)





「え、何?みんな新谷に挨拶しないん?」





「……」





「黙っているだけだと分からないぞ。」





「……」





「あぁ、いいよ。佐野さん。私別に気にしていないから」





「挨拶は基本中の基本だ。」





「そんなのは知っているけれども、相手側に挨拶する気がないのに無理矢理させるのも違うでしょ。」





「……そうだな。」





これで、挨拶の件に関しては一件落着(?)した。





そして、今野先生が入ってきてSHRをやり、授業が始まった。





〜お昼休み〜

この学校のお昼は、どこで食べてもいいことになっている。





私は教室を飛び出し、誰も居なかった空き教室でお昼ご飯を食べた。





"誰かとお昼ご飯、食べてみたいけど、でも、1人は1人で1番落ち着くんだよなー"





なんて、思いながら食べていると、ドアが開いた。





見ると、同じクラスの如月沙希(きさらぎ さき)さんと、加藤麻鈴(かとう まりん)さんと笹原爽香(ささはら さわか)さんが立っていた。





私は、"ここは3人のお気に入りの場所だったかもしれない"と思った。





「あ、ここ。使いますか?どうぞ。」





そう言いながら、弁当の蓋を閉めて、退出しようとした。





でも、3人は、それを止めた。





「ええー、新谷さんも居ていいのに(笑)」





と、加藤さん。





「そうだよ。わざわざ移動する必要なんかないじゃない」





加藤さんに続けて如月さんが言う。





「え、でも、3人の邪魔をしていますよね?」





「大丈夫!邪魔じゃないよ!」





「えーっと、ありがとうございます。」





私が、そう言うと、如月さんがハッとした顔で言う。





「あ、新谷さんが良ければ一緒に食べませんか?ここの教室で出会えたのは何かの、ご縁です!」





「あ‼️沙希、ナイスアイディア!!」





「私も、沙希と爽香の言う通りだと思うよ〜」





3人の言葉に、驚いてしまった。
こんな私と、ご飯を食べてくださるなんて…このチャンスを逃す訳にはいかない。





「こんな私で良ければ、よろしくお願いします!!」





そう言うと、笹原さんが、「よっしゃ」って言ってガッツポーズをする。





「じゃぁ、食べようか!」





如月さんの、その声で4人での食事が始まった

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