青side
あれから5年。
僕は今、公園にいる。
桃色の桜がとても綺麗な公園。
あれから毎年ここに来ている。
桃くんの髪色と同じ、桃色の桜。
桃くん、いつ帰ってくるのかなぁ…
ひょっとしたら、5年前のことなんて忘れていて、もう帰ってきているかもしれない。
綺麗なお姉さんと付き合っているかもしれない。
それだったら、嫌だなぁ…
こんなこと考えたって仕方ない。
そろそろ帰ろうと椅子から立ち上がると、軽く肩を叩かれた。
?「青…?」
青「?」
振り返ると、そこにいたのは______。
桜よりも綺麗な髪色をした、桃くんだった。
桃「青っ…!」
青「も…も、くん…?ほんとに、桃くん…?」
桃「そうだよ、桃だよ。会いたかった…!」
桃くんは、勢いよく僕を抱き締めた。
青「ッ…ポロポロ桃くっ…桃くんっ…」
桃「ごめんな、待たせて。…俺の家、おいで?」
青「ッ…コクッ…」
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桃くんの家
桃「ここ、座って」
桃くんは、僕をソファーに座らせると、もう一度僕を抱き締めた。
桃「会いたかった…!」
青「ッ…桃くっ…あのねっ…?」
桃「ん、なあに?」
青「さみしかった…もう会えないかと思ったぁっ…ポロポロ」
桃「言ったでしょ?絶対帰ってくるって。」
青「でもっ…、5年前のことなんか忘れて、彼女できたりしてるのかと…」
桃「ふふっ、そんなわけないじゃんw俺には青しかいないよ」
青「へっ…」
桃「ふぅ…。青。ずっと前から好きでした。俺と付き合ってください…!」
桃くんは、僕の目をまっすぐ見つめて、はっきり言った。
青「ッ…!い、の…?ほんとに、僕でいいの…?」
桃「青だからいいんだよ。」
青「…!僕、も、好き…!」
桃「ほんとか…!?」
青「うん、ほんとだよ…!桃くん、大好き…!」
桃「ッ…///…チュッ」
青「んぅッ…///」
桃「チュッ…クチュッ、ジュルッ…」
青「んん…///クチュ…///」
桃「ぷはっ…」
青「ぷはぁっ」
桃「ふふっ、かわいー、…。青、もう離れないからな?」
青「ッ…!約束ねっ?」
桃「おう!(ニコッ)」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。