第4話

#3
897
2021/03/26 04:30
桃side
青「え…っ」
青はすごくびっくりした顔をした。
俺は続けてこう言った。
桃「あれから、夜の町に行ってたんだけど、その…気持ち悪くてさ。青とあんなにヤってたのに、なんで気持ち悪いんだろうな、って考えてたんだよ。それで、今まで青のことしか考えてなかったことに気づいて、俺には青じゃなきゃだめなんだって思ったんだ。」
青「……」
桃「ごめんな、こんな自分勝手で…。」
言わなければ。
動け、口。
動け、動け_____!
桃「ッ…れ」
青「?」
桃「俺、さ。海外に引っ越すんだ。」
青「え」
桃「ちょっと事情があって、何年かそこにいないといけないんだ。」
青「ッ……だ…」
桃「?」
青「やだぁッ…ポロポロ」
桃「えっ…青…?」
青「グスッ、せっかく会えたのに…っ、桃くんのこと大好きなのにぃっ…やだぁッ…やだよぉっ…ポロポロ」
青が不器用に繋げたその言葉は、一つ一つが俺の胸に刺さった。
桃「ッ…」
ぎゅっ…
青「へっ…」
桃「待っててほしい。俺がここに帰ってくるまでの間。帰ってきたら、伝えたいことがあるから__。だから…」
青「ん…、待ってるよ、ずっと。桃くんのこと、待ってる。」
桃「ん……」
俺は青を抱き締める手を放し、かわりに青の頬に手を添えた。
桃「チュッ…」
青「んぅ…///」
桃「絶対、帰ってくるから。」
青「うん…、待ってる。(ニコッ)」
青は、涙でぐちゃぐちゃになった顔をほころばせた。
一つ一つの動作が、俺を好きにさせる。
絶対、帰ってくるから____。

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