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第2話

「始まりの戦争」

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 ──一体何だったんだ、あれは……。



 本日の訓練が終わり、寮へと戻って来た大佐。


 大佐は基本的に軍人は男が多い中で、珍しい若い女性だった。異例の出世で大佐へと昇格した理由は、彼女が持ち得ていた戦闘能力を買われてのことだった。

 最近は戦争が多く、何処の国もぴりぴりとしている。各国首脳の会談サミットも行われようと数ヶ月前に動きがあったが、幾つかの国が首脳の安全が保障されていないとして断ったのでそれはなくなった。さながら紛争地域にでも行くのか、というぐらいには平の兵も訓練が強化されている。

 シャワーを浴びて、今日の汗を流した。


 正直、少将のことはかなり苦手だ。何よりもまず顔が怖い。ついでに性格も怖い。前に一度少将が犬好きとの噂が流れたことがあったが、勇気ある人物が是非を問うた処「あ?」の一言で撃沈した。多分濁点ついてた、と後に彼は語った。

 同僚はどいつもこいつもむさ苦しい男ばかりである。別に出会いは求めていないし、何よりも国を守る為に軍人になった大佐だ。国が恋人みたいなものである。


 ただまあ、今日のあれは──。ほとんど初めてと言って良いぐらいだと思う、あの少将に褒められたのは。少将は評価できる人間はきちんと正当な評価を下し、違反をした者はかなり厳しめの罰を与える人物だ。



 少し意外な一面が見れたな、と大佐は年相応に思った。





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 ────それから数ヶ月した頃だった。


 隣国が大佐が所属する国に攻めて来たのだ。その国とは付き合いは良い方ではなかったものの、最近では紛争も穏やかになってあまり気に留めてなかった。そこへ来て夜中に突如とした侵攻宣言が行われ、軍はかなり慌ただしいことになっていた。

 勿論大佐や少将もだ。


 少将を筆頭とする部隊の中に大佐も組まれた。勿論他の隊も同じような階級で部隊が作られてあり、大佐の一つ下の階級である大佐は副隊長、大佐は隊長へと割り当てられた。

 初の戦闘という訳ではない。今までも何度か人を殺した。


 けれど今回はそんなものとは比べ物にならない。まさに、『戦争』なのだ。今から国同士の戦争が勃発し、それはきっと世界へと広がることだろう。此処が戦火の真っただ中になることはまず間違いない。



 銃を手入れする手が震えていた。


 それを目敏く見つけた少将は、少し逡巡した後、数ヶ月前と同じように大佐の頭に手を置いた。





 二人とも何も言わなかった。




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