前の話
一覧へ
次の話

第18話

ヴィルとメイク②
358
2020/10/28 05:30




あなた視点





〜ポムフィオーレ寮〜






ヴィル先輩は"アタシの所に来なさい"って言ってたけど…


多分ポムフィオーレ寮に行けばいいんだよね?





ルーク・ハント
おや、あなたくんじゃないか
あなた
ルーク先輩!
ルーク・ハント
ヴィルに会いに来たんだろう?
あなた
はい!でもどこに行けばいいのか
分からなくて…
ルーク・ハント
彼は部屋で待っているよ
私が案内しよう
あなた
ありがとうございます!











〜ヴィルの部屋〜





ルーク・ハント
ヴィル、連れてきたよ
ヴィル・シェーンハイト
遅かったわね
ヴィル・シェーンハイト
アタシを待たせるなんていい度胸じゃない
あなた
えっ!?ご、ごめんなさい!




授業終わってからすぐ来たつもりだったんだけどな…




ルーク・ハント
それだけヴィルはキミが来るのを
待ち望んでいたということさ
ヴィル・シェーンハイト
ルーク!余計なこと言わないでちょうだい
ルーク・ハント
おっと、すまなかったね
ヴィル・シェーンハイト
アンタはもう戻っていいわ
ルーク・ハント
ウィ!
では、私は失礼するよ
あなた
ルーク先輩、案内ありがとうございました!
ルーク・ハント
これくらいお安い御用さ





ルーク先輩は部屋を出ていき、
ヴィル先輩と私の2人きりになった





ヴィル・シェーンハイト
ルークが言っていたことは気にしないで
ヴィル・シェーンハイト
とりあえず、そこの椅子に座って
待ってなさい
あなた
は、はい




言われた通り、鏡の前にある椅子に座って待っていると
ヴィル先輩がポーチを持って戻ってきた





あなた
…それは何ですか?
ヴィル・シェーンハイト
何って、アタシのメイク道具と化粧品よ
あなた
??
あなた
あの、今日私がぶつかっちゃったことを
怒るために呼んだんじゃないんですか?
ヴィル・シェーンハイト
はぁ…そんなくだらないことで
呼び出したりしないわよ
ヴィル・シェーンハイト
アンタの顔、しっかり化粧すれば
美しくなる素質がありそうだと思ったの
あなた
な、なるほど




これは褒められてると思っていいのかな?


とりあえず、怒られなくて良かったぁ…




ヴィル・シェーンハイト
さ、始めるわ
あなた
じゃあお願いします




私の前髪をクリップで留め、
ヴィル先輩は慣れた手つきでメイクを進めていく




それにしても…




あなた
(ヴィル先輩の顔が近い…!)
ヴィル・シェーンハイト
アンタ、表情が堅いわね
余計な力を抜いて
あなた
す、すみません!緊張しちゃって





力を抜いてって言われても…


こんな間近にヴィル先輩がいたらドキドキし過ぎて
そんな余裕なんてないよ〜!





ヴィル・シェーンハイト
…まぁいいわ
そのまま大人しくしてなさい
あなた
…はい




その後もヴィル先輩との距離にずっとドキドキしたまま、
気づけばメイクも終わりそうな頃だった






ヴィル・シェーンハイト
最後にリップを塗って…
ヴィル・シェーンハイト
はい、これで完成よ
あなた
…わぁ!すごい、私じゃないみたい
ヴィル・シェーンハイト
アタシの手に掛かればこんなものよ
ヴィル・シェーンハイト
いつもこれくらい美しくなれるように
努力することね
あなた
でも、私はヴィル先輩みたいに技術もないし…
あなた
そもそもメイク道具も最低限のものしか
持ってないんですよね…あはは
ヴィル・シェーンハイト
…呆れた
ヴィル・シェーンハイト
だったら、アタシがやってあげるわ
あなた
えっ?いいんですか?
ヴィル・シェーンハイト
けど勘違いしないで
ヴィル・シェーンハイト
アンタが美しい状態じゃないとアタシの気が
済まないだけよ
あなた
そ、そうなんですね…




ヴィル先輩、やっぱり美に対してストイックなんだなぁ…




ルーク・ハント
素晴らしいよ2人とも!!
あなた
ルーク先輩!?
ヴィル・シェーンハイト
ちょっと!
アンタどこから入って来てるのよ!?
ヴィル・シェーンハイト
大体、さっき戻ったんじゃなかったの!?





突然、ルーク先輩が開いていた窓から入ってきた

本当にどうやってここまで来たの!?




ルーク・ハント
確かに1度ここを去ろうとはしたのだけれど…
ルーク・ハント
やはりキミ達の様子が気になってしまって、
窓の外から観察させてもらっていたよ
ヴィル・シェーンハイト
ほとんど不審者みたいなものじゃない…




たしかに不審者扱いされてもおかしくないよね…

きっとルーク先輩だから許されることなんだろうな



ルーク・ハント
それにしても、ヴィルが自らメイクを
してあげようとするだなんて珍しいことだ
ヴィル・シェーンハイト
別に、さっきも言ったけど
アタシの気が済まないってだけよ
ルーク・ハント
しかも、あなたくんのメイクに使っていた
化粧品や道具も全てヴィル自身のものだ
ルーク・ハント
他人に触られることも嫌がるほどなのに、
あなたくんに使うのは抵抗がないんだね?
あなた
えっ…
ヴィル・シェーンハイト
…ルーク!!いい加減にしなさい!
ヴィル・シェーンハイト
さもないと、どうなるか分かってるわね?
ルーク・ハント
いけない、少し喋り過ぎてしまったようだ
ルーク・ハント
では今度こそ失礼するよ!





ルーク先輩はまた窓から外へ出ていった


もう普通にドアから出ていけば良かったんじゃ…?




あなた
あの、ヴィル先輩
ヴィル・シェーンハイト
…なによ
あなた
そんな大事なものを私に使って
もらっちゃって…申し訳ないです
ヴィル・シェーンハイト
謝ることないわ
ヴィル・シェーンハイト
アンタになら特別に使ってあげても
いいと思っただけ
あなた
と、特別…
ヴィル・シェーンハイト
!…別に深い意味はないわ
一々気にしないでちょうだい
あなた
そうですよね…すみません
ヴィル・シェーンハイト
とにかく、またメイクがしてほしかったら
アタシの所に来なさい
ヴィル・シェーンハイト
いつでもやってあげるわ
あなた
はい!ありがとうございました!




ヴィル先輩の部屋を出て、オンボロ寮へと向かう




こんなに綺麗にしてもらえるなら
またヴィル先輩に会いに来ちゃおうかなぁ










ヴィル・シェーンハイト
…はぁ
ヴィル・シェーンハイト
(アタシったら、もっと
素直にならなくちゃダメね)









……















作者
おしまいです!
作者
すっかり更新するのに時間が
空いてしまいました😭
作者
長くなりましたがヴィル夢でした!
あんまり甘い要素がなくてすみません😂
作者
それでは、ここまで読んでくださって
ありがとうございます!

プリ小説オーディオドラマ