[りょう視点]
あなた「えっと、嫌ならいいんだけどさ…。」
から始まった電話での提案は俺をこの上なく喜ばせた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あなた「今働いてるbarが閉店するんだよね。マスターの奥さんが体壊してさ。」
りょう「そっか、じゃあどこか違うとこで働くの?」
あなた「ううん、音楽に専念しようと思って。この前、動画にURL貼ってくれたおかげでYouTubeの登録者増えてライブでもらうお金と含めたらやってけそうなんだよね。」
りょう「そっか!じゃあ会える日も会いに行ける日も増えそう?」
あなた「えっと、嫌ならいいんだけどさ…。」
りょう「なに?」
あなた「岡崎に住むのもアリだなって…。」
りょう「え!?」
あなた「いや、YouTubeとライブなら別に名古屋にこだわる必要もないし、ライブも多くて週2だし…それなら名古屋に住んでたまに岡崎来るより岡崎に住んで週2、3で名古屋行くのも変わんないかなって。」
りょう「嫌なわけないじゃん!てことはあなたにめっちゃ会えるんだよね?」
あなた「うん…住んだら会える。」
りょう「家、見に行こう?俺も家探そうと思ってたから!」
あなた「りょうも引っ越すの?」
りょう「うん、YouTubeに専念するために仕事やめようと思って、元々そう言って働かせてもらってたとこだから。あなたはそっちの俺の方が好きかもしれんから言いだせんかったけど。」
あなた「ううん、倒れたらどうしよって心配だったから。」
りょう「じゃあ部屋見に行こ!一緒に住むのはなし?」
あなた「それはなし、夜中に急にギター弾いたりするから。」
りょう「なんだー。じゃあ次の日曜、夕方には終わるからその日見に行こ!」
あなた「うん、楽しみにしてるね!」
不安そうだった声が嬉しそうな声色になるのを感じた。
柄にもなく踊り出しそうなくらい嬉しかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。