第14話

デート②
1,499
2019/10/19 18:25
[りょう視点]

いつあなたから連絡が来るのかと真剣にスマホを見つめて待ってた。

ラインが来るとついニヤける。

もうつきそう?って送るともう着いてるよと送られてきた。

辺りを見渡すと少し笑ってあなたが見てた。

来るなら早く言ってと言うと笑った後にむっとした顔をしてまた笑った。

あ、俺と同じだ。

ニヤニヤしないようにしてんだ、って思うと途端にクールに見えてた横顔が幼い女の子に見える。

運転中は信号で止まってもこっちを見てくれない。

でも少しだけ赤いあなたの頬を見てやっぱ好きだなって思う。

右折だと伝えるとガラス越しに目が合う。

ふいっと目をそらした後に少し笑う。

隠しきれてない表情が愛おしかった。

この子が隠さずに笑う姿はきっともっとかわいい。

本人を目の前にすると、からかってしまうかもなんて考えは吹き飛んだ。

最初にあったツンとした表情のあなたはどこに行ったのか、

下唇を少しだけ噛んで我慢する目の前の女の子は紛れもなくあなたで、

きっとお互い最悪だったであろう第一印象もいつしか忘れていた。

店についてスイーツがたくさんあるんだよって、
伝えると、ここは隠しきれなかったのか笑いながら甘いものでお酒が飲めるなんて言う。

メニューを2人で見て、あなたはガトーショコラとカタラーナを選んだ。

ご飯は?って聞くとりょうから貰うからだって。

可愛くてつい笑った。付き合ってないのにずっと前から付き合ってるような感覚になった。

何度もまだ付き合ってないのかって寂しい気持ちにはなったけど、今向けられてる笑顔を見るとどうでもよくなった。

俺が頼んだカルボナーラを意地悪そうな顔して卵たくさんかかった1番いいとこが欲しいって言う。

いいよ、っていうと無邪気な顔で笑う。

そしてやっぱりハッとして目をそらして真顔に戻る。

でも口に入れるとまた嬉しそうに笑う。


ガトーショコラとカタラーナひとくち食べなっていうからガトーショコラについてる生クリームだけ全部食べたら絶望した表情をされた。

そのあとは2人で目を合わせて笑った。

最悪、消えて欲しい。って言いながらもガトーショコラも食べなって言うあなたはクールさなんて微塵もなかった。


東海オンエアの人たちの楽しいエピソードを話すとふふっと笑うし、なぜだかてつやの話をするとムッとする。きっと意地悪言われたんだろう。

そしてなぜだかしばゆーってワードを出すと肩が震えるくらい笑う。

てつやかとしみつが何か話したのか。

知らないところで話してるって思うと少し嫉妬した。

もちろん口には出さないけどね。

そんなくだらない話をしてるうちに夜のメニューに変わる時間。


ワインも俺から一口もらうから同じのにしないでって、可愛い。


いつからかあなたはずっと笑ってた。

よく笑う子だ。


時間が過ぎる度に好きだって実感する自分がなんか恥ずかしくてきっと顔は赤かった。

烏龍茶を勧められたのもきっとそのせい。


男のくせに私より弱いなんて、って思われてないかな。あなたなら思わないか。


何品か注文して、美味しいお酒を飲んで、気付けば20時だった。こんな長い間居たのか。

りょう「そろそろお会計しよう、どこか行きたいとかある?」

あなた「りょう、明日仕事でしょ?もう帰ろうか。」

少し寂しそうに言うからあと1時間だけって言うとまた下唇を少し噛んだ後に嬉しそうな顔を抑えていいよって言った。

本当可愛いな。


お会計は払うと言って聞かないから無理やり払った。こういう頑固なところは仲良くなっても変わらないのか。そこもまた好きなのかもしれない。


二件目は代行を呼ぶから徒歩で行けるとこに行った。

barみたいなとこで色々なカクテルがあった。
あんまり詳しくないからあなたに聞くと、

あなた「これは甘いけど酔うお酒、持ち帰りたい時用だね、あとこれは軽いよ。何杯でもいける。」

って教え方をされた。

りょう「じゃああなたはこの甘いけど酔うお酒ね。」

と言うと、困った顔をして

あなた「じゃありょうもこれね。」

なんて言うから

りょう「シェアしないの?別なのにしたらこのお酒半分しか飲まなくて済むよ?」

そう言ったら少しだけ驚いた顔で、

あなた「酔わせて持ち帰って襲われるのかと思ってたらそうじゃないの?」

って、言われた。

りょう「付き合ってくれるなら襲うよ。そりゃね。でもそうじゃないなら持ち帰って寝かしつけるよ。子守唄でも歌う?」

そういうと笑いながら、歌なら私が歌うからって言った。


結局甘くて酔うカクテルとあなたオススメのカクテルを頼んでシェアした。

お互い二杯くらい飲んで結局1時間以上たってたから家に帰ることになった。


代行の車に揺られながら手を握ってもいいのだろうかって悩んだ。

こんな風に考えるのも学生の時ぶりだった。

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