第30話

ダンス企画⑤
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2019/10/30 12:28
[りょう視点]

ダンス企画5日目。

今日も特訓だ。

俺はだいぶ出来てるつもりなのになぜかみんな笑うんだよな。

でもそれが楽しい。

あなたがいればもっと楽しいんだけど。


しばゆーは余りにも自由だからセンターにして違う動きをしても不可解にならないようにしてもらった。


文系を見に行くとまたサボって談笑していた。
カメラを持って突撃してやった。


りょう「お前ら!呑気だな!そんなんじゃまた理系が勝っちゃうからなぁ!」

あなた「もう覚えちゃって飽きたんだもん。」

てつや「ダンスで負けるわけないやん。笑」

りょう「こいつらどうやらまた理系を見くびってるようだ。」

としみつ「見くびるも何もメンバーの差が圧倒的過ぎ。」

てつや「文系はゆめまるが心配なだけだけど理系は心配しかないもんな。」

ゆめまる「え?俺心配?めっちゃ出来てる気がしてたわ。」

ゆめまる、分かるぞその気持ち。

横目に見ながらフフッと笑ってタバコを吸うあなたはやっぱりかっこよかった。


カメラを止めると、

あなた「今日ご飯作ってみた。作る作る詐欺してたから。」

りょう「え?何作ったの?」

あなた「和食。」

としみつ「いちゃつくなクソが!◯すぞ!」

てつや「俺も食いてー!」



飯、嬉しいな。

やっと食べれるんだ、手料理。

本当に作る作る詐欺で、食べに行くか俺が作るかの二択だった。


ダンス企画が終わるのは嬉しいけど、あなたも帰るのか。寂しいな。


疲れてすぐ寝ちゃうし寝顔もあまり見れなかった。

夜中2人で公園に行って踊ってる時間が1番楽しかったな。




帰りの車、

りょう「和食って何?」

あなた「ぶり大根とご飯と味噌汁と小鉢。」

りょう「え!そんなん作れんの?ダークマターとかじゃない?」

あなた「煮物しか作れない。お母さんも煮物以外クソ不味かったし。」

りょう「じゃあ結婚したら俺が洋食担当になるのか!」

あなた「結婚?笑」

りょう「え?しない?笑」

あなた「顔に似合わず子供だね。」

りょう「いつかするね、プロポーズ。」

あなた「んー、考えとくね。」


そんな会話をしながら家に着いた。
飯があるから今日の公園ダンスはお休み。

ご飯は想像以上に美味そうだった。

キッチンもしっかり片付けてあったし、余った食材は下処理をして冷凍してあった。


意外と出来るじゃん、って思いながら食べた。


本当にうまくてびっくりした。


今日動画の撮影でダークマター食べたから余計うまく感じたのかもしれない。

くさみの一切ないぶりと、面取りまでしてある大根を見ると料理下手って言ってたのが完全なるフリにしか見えなかった。

ドヤ顔するかと思いきや照れた顔をするからそんなこと言えなかったけど。


あなた「明日はりょうのカルボナーラね。」

りょう「いや、あと2日で帰っちゃうんだから飯作ってよ。笑」

やっぱり照れてるのか嫌だと言った。



幸せだな、と思った。

今日は寝顔が見れそうだ。か

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