第42話

相談
1,038
2020/01/19 14:02
[りょう視点]

急にあなたに相談された。

あなた「髪、また伸ばそうと思うんだけど。」

これにはもちろん大賛成だった。

絶対似合うから。

きっと落ち着いた色にロングで毛先を少し巻いたらとても似合う。

まぁ、色はきっとそのままなんだろうけど。

嬉しいのを抑えて

りょう「きっと似合うよ。」

とだけ言うと、

あなた「うーん、エクステつけてみようかな。ロングってめんどくさいし時間かかるし。」

りょう「いつする?一番に見たい。」

あなた「いつ休み?」

りょう「土日ー、でも撮影あるかな。」

あなた「休みとってエクステつけたら勝手に家で待ってるよ。」

りょう「日曜はじゃんけんあるかも。」

あなた「じゃあ土日休みとって泊まってく。」

大人びた顔のくせにむすっとして腕を組むあなたが可愛い。

この顔はきっと今は俺だけに向けられた顔なのだろうと思うとむすっとしてても可愛い。

少し肌寒くなってきて、

あなた「これから寒くなってきたら煙草どうやって吸おう?」

なんて言ってる横顔さえ愛おしく感じるんだからそりゃ可愛いって感じるのは当たり前なんだけど。

俺がとしみつみたいに歌が上手くて歌詞がかけて曲を作れたらこの想いを丸ごと歌にして届けたい。

少しらしくないことを考えてるのも今では心地よく感じる。

りょう「じゃんけんでご飯決まったら来ればいいやん。」

そういうと少し嬉しそうな顔してから困った顔をして、

あなた「まんぷく屋はカロリーが怖い。りょうと付き合ってから太ったんだからね。しかも1番に見せれないかもしれないし。」

と笑った。

こんなにコロコロと表情が変わる子だと思ってなかった。これが当たり前な日々が嬉しい。

あなたが休みの火曜日はとても幸せで、あなたが帰る水曜日はとても気が重い。

寝る時間を考えるとたった数時間しか話せないのに今の間にか来るのが当たり前になってて、それが本当に嬉しくて少しだけ怖い。

いつか別れるときがくるかもしれない。

初めて先のことを考えた。

夢を持つ彼女の為を思ったら縛り付ける事もできない。

分かっているからこそ切ない。

今はただ、髪が少し長くなったあなたのことだけ考えれば良いのに、

もっともっと先のことを考えてしまう。

楽しい今とほんの少し先のことだけ考えられたらきっと楽なのにな。

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