第18話

翌朝
1,600
2019/10/21 11:48
[あなた視点]

朝5時半、まだ眠い目を擦りあくびをした。

昨日のことを思い出し顔が熱くなる。

りょうと出会う前に何度もしたはずの行為。

なぜだかりょうは違った。

優しいキスもそっと包み込むように抱きしめられたのも、初めての時のような緊張感も多幸感もまだ鮮明に思い出す。

部屋を見渡してもりょうは居ない。

洗面台のある方からシャワーの音がする。

シャワー中か。朝早く大変だなぁって、もうすぐ私も出なきゃって寂しくなってた。

勝手に洗面台を使って顔を洗った。顔を上げて右を向くとりょうが出てきてた。

タオルは巻いてたけど、なんとなく急いで目をそらすと、

りょう「昨日も見たじゃん。」

と、また意地悪な笑い方をする。

顔を拭いて、化粧するからって言って部屋に戻った。


りょうは服を着て髪を乾かしてキッチンへ行って

りょう「はい、朝ごはん。」

と言ってパンとスクランブルエッグとベーコンとスープを出してくれた。

あなた「一体何時に起きたの?」

って聞いたら、

りょう「寝顔見てたら嬉しくて眠れなくて30分くらいしか寝てない。」

そう言って笑った。

あなた「バカ?また倒れたらどうするの?」

と言うと

りょう「昨日はあんなに可愛かったのにまたそうやってバカとか言うんだ。」

ただ口元を隠して笑う。


りょうの作った朝ごはんは美味しくて、難しいものじゃないんだろうけど塩加減とかなんか色々ちょうどよかった。


あなた「私料理出来ないんだよね。」

りょう「えー!予想通り!」


本当うざいな。


私はコンタクトをいれて眉毛だけ書いて、りょうにTシャツを借りて帰ることにした。

あなた「シャツと中に着てた服置いてってもいい?」

りょう「いいよ、置いてった方が次来た時の着替え困らないもんね。」

あなた「じゃあ、この借りた服は私の家置いとくね。」


なんて、恋人らしい会話をしてみた。

多分2人ともニヤけてた。


玄関でキスをして、6時半に家を出た。


寂しいなって思ってスマホを見るとりょうから、

ありがとう、ごめんね、手出すの我慢できなかった。今度は俺がそっち行くから。

って返信が来てた。

私が時々泊まりに行った方がきっと長く入れると思うんだけどな。

でもこっちの方がお店選びやすいしデートらしいデートがしたいならこっちに来た方がいいか。


優しいな、好きだな。って思ってしまった。

私もりょうが起きる前に朝ごはんを作ってられるような女になろうと思いつつも、またタバコに火をつけた。

プリ小説オーディオドラマ