第33話

帰宅
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2019/11/05 16:08
[あなた視点]

りょうが潰れた。

ニコニコと笑う赤い顔、ため息をつきつつ介抱をする。

りょうの前に潰れた人を順にタクシーに乗せた。

…虫さんは友人が一緒にタクシーに乗って送るらしい。

でもそれはまた別の話。


最後にりょうとタクシーに乗り込み、りょうの家へと向かう。

何も喋らないのにニコニコとしてこっちを見つめる。

あなた「何?」

りょう「ん?顔赤いなぁって思って。」

あなた「…りょうもね。」

自分の顔色を知らないのだろうか。
知らない間に繋がれた手を見つめていると、

りょう「初めてのデートは繋げなかったのにね。」

と、言った。

あなた「そうだね、意外と意気地なしなんだね。」

りょう「大事にしようと思って、ちゃんとそう思ってたのに速攻付き合って抱いた。」

あなた「声大きい。」

少し睨んでそう言うとりょうは耳元に口を近づけた。


りょう「だからね、付き合う前にできなかったことも少しずつやるんだ。」

あなた「そうだね、しようね。」

りょう「…こうやって手繋いだり、寒くなったら俺のポケットの中で手繋ぐんだ。」

そう言うと私の方に頭を乗せて寝てしまった。


タクシーの運転手さんに、
「付き合いたてかい?可愛らしい彼氏さんだね。」
と、言われた。酔いがさめたりょうに言ったらどんな顔をするだろうか。

幸いなことに一応歩けたから家に入ってベットに寝かせた。

水を飲ませて濡れタオルで軽く顔と体を拭いてあげた。

着替えさせようと思って着替えを持ってベットの上に座るとりょうが少しだけ目を開けて、

りょう「看病してもらったの思いだす。」

と言った。

酔ってても付き合う前のこと思い出してくれるんだなぁ、なんて思うと少し嬉しい自分がいた。

さすがにパンツは脱がせないなと思ってとりあえずパンツ以外の服を着せた。

とりあえず私はシャワーを浴びて髪を乾かして同じベットに入る。

りょうが私を抱き寄せて耳にキスをした。




りょう「そろそろ抱きたいんだけど。」




太ももを撫でながらそう言うりょうはズルい顔をしていた。



あなた「酔っ払いは早く寝て。」

りょう「明日休み。」

あなた「そういうことじゃないでしょ。」

りょう「酔ってて一人でお風呂はいれないから一緒に入ろう?」

あなた「さっき入ったもん。」

りょう「えー、お風呂入りたい。」

あなた「寝てる間に体軽く拭いたよ。」

りょう「…好きな子抱く前はシャワー浴びたいやん。」





どうやら抱くのは決定事項だったようだ。

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