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2021/10/10

第41話

NO,41 謎の青年
私はリビングのドアを静かに開けた。そしてそこには、あの人を合わせて4人いた。
ジェル
ジェル
え!?関西出身?!
お母さん
お母さん
そうそう、みんなそんな反応なのよ。そんなに関西人っぽくないかしら?
ジェル
ジェル
だって、関西弁の訛りもないですし。
お母さん
お母さん
10年も東京いたからかしらねぇ~?
そんな他愛もない話をあの人としているのはジェルさんだった。他のみんなも相づちを打ったり、あの人が作った料理を黙々と食べているものもいる。
お母さん
お母さん
あら、秋霖、そんなとこに立ってないで、早く座りなさい。
そう言い、自分のとなりに座れと急かしてきた。
私は言う通りに座ると、ハンバーグにナイフを入れた。
莉犬
莉犬
あ、そういえば、ひなきちゃんは?
ひなきの話を聞くと、まだ釈然としない。「ヒロイン」、「悪女」。それにブレスレットは取られたまま。
 それに、これまではあんな風に敵意をむき出しにしてくることは一度もなかった。
秋霖
秋霖
(ひなきってもしかして二重人格?)
お母さん
お母さん
あー、ひなきね。あの子、風邪らしいのよ。
ジェル
ジェル
え?そうなんですか?
お母さん
お母さん
私も電話が来た時何事かと思ったわ。あの子が電話してくることあまりないから。
あの人の言葉に疑問を抱いた。
 ひなきは両親への電話は2日に一度はする。これはまぁまぁの頻度ではないだろうか?あまりないというには矛盾だと思う。
秋霖
秋霖
(あ、お茶無いや。)
冷蔵庫にある烏龍茶を取りに行こうと席を立ったときだった。急に眠気に襲われ、私は床に倒れこんだ。
秋霖
秋霖
(ね、眠い……)
どうにか閉じようとするまぶたをこじ開けて周りを確認した。みんなか同じように眠っている。息はしているようだ。
どういうことだろう。あの人、なにか盛ったのだろうか……
秋霖
秋霖
な、なんでこんなことを……
お母さん
お母さん
あら、まだ起きていたの?意外と強めのを使ったんだけど。
秋霖
秋霖
質問に答えて!!
声を大きくしたが、本当は目を開けているのも辛い。強いものを使ったと言うことはなにか盛られたのは確定だろう。
お母さん
お母さん
私は花壇の管理人よ。その管理人が、花を摘もうとしているだけよ。
秋霖
秋霖
どういうこと……?
お母さん
お母さん
ふふっ。そんなことはどうでも良いわ。もう眠いでしょう?
私の頬にあの人の手がそえられる。
お母さん
お母さん
秋霖。
         「おやすみ。」
 










 私の目はゆっくりと開いた。ベットから上半身を起こす。
秋霖
秋霖
(まだ夜か。)
カーテンを閉め忘れた窓から見えるのは三日月だった。
 しばらくして目が暗闇に慣れ、家具などが見えるようになると、部屋をぐるりと見渡した。
いつもの私の部屋だ。しかしベットから見て左側の壁に見慣れない服が掛けてある。
秋霖
秋霖
高校生、か。
 今日は中学の卒業式だった。友達が片手で数えられるほどしかいない私にとってはどうってこと無いイベントだった。
 それにどちらかというと卒業への悲しみよりも、高校生になるということへの不安の方が大きかった。
秋霖
秋霖
これまではあかねがいてくれたけど……これからはそうもいかないし。
 小学生から同じ学校で仲が良かったあかねだが、高校は別々の高校になってしまった。
 今回こそはっ、とひなきと別々の高校に通おうと努力して、難関高校の一つに合格したのだが、それを軽々とひなきはついてきた。
秋霖
秋霖
私の人生はどうなるんだろう。
このまま大学生になっても、社会人になってもひなきと比べられていくのかな。それを超えるように努力しないといけないのかな。
秋霖
秋霖
……はぁ、ネガティブになる癖がついている気がする。
ちらりと時間を確認する。
秋霖
秋霖
え?まだ一時半?
不思議だった。六時間は寝た気がするのに、就寝してから二時間しか経っていないのだ。そしてひどく喉が乾いていた。
秋霖
秋霖
(とりあえず電気をつけて、飲み物でも取ってこよう。)
私はベットから立ち上がり、家具に足をぶつけないように気を付けて電気のスイッチを押した。
秋霖
秋霖
あれ?
 カチッ、カチッとなんども押すが電気はつかない。別に電気なしでも良いかと、ドアノブを回す。
秋霖
秋霖
あ、開かない……?
私は違和感に気づき始めた。電気がつかない、ドアが開かない。
秋霖
秋霖
窓も、開かない?
秋霖
秋霖
(とりあえずこの部屋からでないと……)
危険な気がする。私はガラスを割ることにした。    そしてまたおかしい部分が出てきた。小物が一切無いのだ。人一人じゃ持てないような家具以外は全て、無くなっていた。
秋霖
秋霖
わ、私、閉じ込められてる?
違和感が確信へと変わる。
秋霖
秋霖
な、なんで?もしかして夢?いや違うか。
秋霖
秋霖
誰かの恨みでも買った?
ドアの前にへたりと座り込む。正面には窓があり、三日月が雲に隠れたのか部屋が真っ暗になる
秋霖
秋霖
あ、ブレスレットが……ない?
いつも寝るときはお守り代わりにつけている、みんなななくん達にもらったブレスレット。手首にはそれがついていなかった。
秋霖
秋霖
いつの間にか無くした……?
 混乱しはじめたその時、突然パリーンッとガラスを割る音がして、透明な破片が飛び散った。
秋霖
秋霖
え?
???
やっと見つけた、秋霖。
窓ガラスを割ったと思われる人物は、全身を黒で包んでいて、頭にはフードを被っていた。声からして男だろう。
???
しかも……、これはヤバイ匂い。
秋霖
秋霖
だ、誰?
???
秋霖、君は16歳の高校生かい?
秋霖
秋霖
え?い、いや、まだ高校生ではないですし、私は15歳……です。
???
あいつら、マジかよ……
その人が舌打ちをすると、下の階で話し声が聞こえ始め、階段を上がってくる音がした。
???
あいつらが来る前に逃げるぞ。そんな服装で悪いけど、早く!!
秋霖
秋霖
え?あ、うん
私は混乱しながらも必死なその人から差し出された手を取った。
 乱暴に鍵を開ける音がすると同時に窓から逃げ出した。
???
もう一回質問するけど、君は何歳?
秋霖
秋霖
だから、私は15歳の中学三年……
突然頭にかかったもやが取れた気がした。
秋霖
秋霖
……わ、私はっ!高校一年生、16歳の生徒会所属!!西蓮寺秋霖!!
 手を繋いでない方の手でくしゃっと頭を撫でられた。
???
???
うんっ!それで良し!
???
???
しんどいだろうけどもうちょっとだけ走って。
手を引かれて、駄菓子屋の影に入った。
秋霖
秋霖
はぁ、はぁ。
???
???
はぁ、はぁ。
???
???
どうにか……追っては、巻けた、かなぁ?
秋霖
秋霖
あのっ!はぁ、はぁ、説明してください。
???
???
あー、と、その前に足手当てしても良い?
そう言い、その人が指差した先には、血まみれになった私の足があった。
???
???
ごめんね、そこら辺は配慮してなかった。
足に包帯を巻きながらその人は言う。
秋霖
秋霖
いえ、大丈夫ですよ。助けてくれてありがとうございます。
???
???
あっ、そうだ。
その人が駄菓子屋の奥に行くと、話し声が聞こえてきた。その人はビン2本と、靴を一足持ってきた。
???
???
ラムネ、飲める?
秋霖
秋霖
あ、はい。
私は冷えたラムネを受け取った。
???
???
もう夜も遅いし、手短に離すよ。
???
???
あの部屋に充満していたのはある薬だ。
???
???
記憶操作の薬。まぁ、バレたら警察来るやつだね。
その人は、すぐに飲み終えたラムネのビー玉を取り出しながら言う。
秋霖
秋霖
……
???
???
……信用してもらえないかもしれないけど、その薬を充満させたのは君の両親なんだ。
秋霖
秋霖
そうなんですね…
私が邪魔にでもなって殺そうとでもしたのだろうか。
秋霖
秋霖
あ、あの。あなたは誰なんですか?
???
???
敬語じゃなくて…って敬語の方が君は楽か。
秋霖
秋霖
(何でこの人敬語の方が楽って知ってるの?)
???
???
そうだなぁ。うーん。
???
???
いつもは「敵」の振りをしている、「味方」、かな?
秋霖
秋霖
???
???
あはは、ごめんごめん、冗談だよ。
???
???
ちょっと今は言えないかなー。
秋霖
秋霖
そうですか……
???
???
……じゃあ今度会ったときに年齢を教えてあげよう。
秋霖
秋霖
それは……名前が知れるまで長そうですね
???
???
まぁねぇ~
秋霖
秋霖
じゃあ、貴方のお名前呼べる日を楽しみにしてますね。
私は足をプラプラさせながら笑う。
???
???
…そ、そうだね
秋霖
秋霖
……?
???
???
俺も楽しみだなぁ
そう言いながら遠くを見るその人は、何を考えてその言葉を発したのだろうか。
???
???
さぁ、休憩もしすぎたし、家まで送るよ。シェアハウスは両親が追いかけてくる可能性があるからりいこちゃんたちのマンションでもいい?
秋霖
秋霖
りいこちゃんたちのことも知ってるんですか?
また差し出された手をとり、手を繋ぎ歩く。
???
???
まぁねぇ~。
???
???
その靴ぶかぶかすぎる?歩ける?
この人が駄菓子屋の奥から持ってきた靴はこの人の小さくなってはけなくなった靴らしい。
でも、とても大きい。私は女でも足が小さい方だからだろう。
秋霖
秋霖
歩けはするので大丈夫です。
それから、マンションまでは世間話とか恋ばなとかで盛り上がった。
秋霖
秋霖
(この人何でか分からないけど、話しやすいなぁ。)
???
???
ここだね。俺はもう行くよ。
秋霖
秋霖
うん、ありがとう。
???
???
……
???
???
いいえ~、じゃあまたね。
その人は暗闇に溶けるように去っていった。