廉へ
ずっと言えなくてごめんなさい。
私は、廉のことが好きだったから、大好きだったからこそ言えなかった。
そんなの屁理屈かもしれないけど、ホントだよ。廉を困らせたくなかったし、私なんかの事で廉の仕事とか、プライベートを邪魔したくなかったんだ…ごめん。
婚約のことだけど、解消してもいいよ。
てか、解消してください。
廉にはもっといい人がいるはずだから。
私と別れて、新しい恋、新しい道に進んでください。
涙の跡)ごめん。書いてる途中泣いちゃった。
実を言うと、ずっと大好きのまんま。
だって、私の初恋の人で、優しくて、かっこよくて、背が高くて、歌うまくて、頭良くて、
努力家で、何でもかんでも完璧な廉。
わたしには勿体無いくらい…笑
そうそう!
美桜から受け取った?わたしの写真。
あれね、廉からプロポーズされた時、既に死ぬことがわかってて、廉にはドレス姿見せられないと思ってたから、美桜に頼んで撮りに行ったんだ〜!別に捨ててもいいよ?
それと、私の机の引き出しの中、開けてみてください。
ずっと、廉のこと、見守ってるからね。
頑張って! 〇〇より。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!