第17話

スケベ女子には要注意!
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2019/01/25 09:57



私は怒りで我を忘れた。
スケベ心
スケベ心
助平心美、スケベ覚醒モードへと移行します


ヒカル会長に馬乗りになり、ボタンの取れたシャツの隙間から手を入れる。


何が起こったのか理解できずフリーズしている彼。
そのへそピアスに指先を這わせた。
心美
心美
これ、取った方がいいですよ?
せっかくの腹筋が台無しです
心美
心美
ピアスはあくまで筋肉の引き立て役!
これ鉄則。それに――


指先を徐々に上へと滑らせる。


ヒカル
ヒカル
わっ!


ようやく状況を把握した会長が暴れるように身体を
よじる。


それをすかさず両手で抑え込む。
ヒカル
ヒカル
は、離せ!!
心美
心美
ほら、鎖骨だってすごく綺麗じゃない
ですか! いつもはキラキラオーラが邪魔で、せっかくのいい体がよく見えませんでした
ヒカル
ヒカル
ちょ、おい!

暴れるヒカル会長の顔はみるみる内に赤く
染まっていく。
心美
心美
それに、この首筋のホクロ!
ナイス位置、ナイス色気!

食い入るように首筋に顔を寄せ、ツウと指でホクロをなぞった。


それはまるで星空の下、星座を眺めるような夢心地。
ヒカル
ヒカル
ひゃ! や、やめろっ。
そんなところ、親にも触られたことないのに!


首まで赤く染めた会長の腕を床に縫い止め、
じっと潤んだ目を覗き込んだ。
心美
心美
最後に一ついいですか?
会長は遊佐くんのマネなんかしなくても
そのままが一番魅力的ですよ
ヒカル
ヒカル
……へ?

ボッと音が聞こえそうなくらいに極限に真っ赤になったヒカル会長は私を突き飛ばした。
心美
心美
わっ!!


後ろに突き飛ばされた私は尻もちをつき、
我にかえる。




目の前には必死で身体を隠し小動物のように
震えるヒカル会長。

真っ赤な顔で目に涙を溜め、こちらを睨んでいる。
心美
心美
(や、やってしまった……。
会長相手にセクハラを……!)

逮捕から収監まで、近い未来の光景が頭によぎる。
心美
心美
ごめんなさい、私……
ヒカル
ヒカル
ぼ、僕に触るな!!
心美
心美
きゃっ!

伸ばした手は弾かれる。





ドガンッ!!
遊佐
遊佐
おい、大丈夫か?! 今、悲鳴が……

突然教室のドアを蹴破って入ってきたのは遊佐くん。

私達の状況をじっと見つめ、
状況が読めないといった表情。
遊佐
遊佐
おいすけべぇ。お前、襲われ……いや、襲った……のか?

徐々に深くなっていく眉間のシワが、遊佐くんの混乱を物語っている。
遊佐
遊佐
どうなってんだ?
それに…そのシャツ、破れて――
ヒカル
ヒカル
そんな目で僕を見るな!!

そう言って会長は遊佐くんを睨み、真っ赤な顔で教室から飛び出そうとする。
心美
心美
ま、待って会長、ほんとにごめんなさい

とっさに手首を掴み引き止めると、掴んだ手首からみるみる真っ赤になっていく。
ヒカル
ヒカル
……ば、ばか!!!


耳まで赤くしてこちらを睨んだかと思えば、手を振り払い彼は教室を出ていった。






生徒会室に残された遊佐くんと私。


やっぱり遊佐くんの顔を見るとモヤモヤが復活し、重い空気が流れる。
遊佐
遊佐
おい、何があった?
心美
心美
(兄弟の仲に私が口出ししちゃダメだよね……)
心美
心美
べ、べつに? ちょっと襲っただけ
遊佐
遊佐
は?!
遊佐
遊佐
ああ、そーかよ
お前は男のハダカなら誰でもいいんだな
心美
心美
なにそれ! 遊佐くんだってイズミさんの腰に手回して喜んでたくせに!
遊佐
遊佐
イズミは関係ねぇ。あれは仕事だろ
心美
心美
仕事? イズミさんは初恋の人でしょ?
ずっと好きなくせに!!


思わず叫んでいた。

遊佐
遊佐
は? なんだそれ

驚いた顔で私を見つめる遊佐くん。
何故か惨めになり、涙が滲む。


するとこちらに近づく足音が聞こえる。

どうやら先生のようだ。
遊佐
遊佐
やっべ。ドア壊したのバレる!

遊佐くんは私の手を掴み、近くにあった狭いロッカーの中へと引きこむ。




ロッカーの中、私と遊佐くんの二人きり。

すれ違う心に反し、カラダはギュウギュウに密着。






そしてすかさずスケベ心が騒ぎ出した。
スケベ心
スケベ心
わっしょーーい!!!

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