沈黙を破ったのは五条だった。
五条の言葉を遮るようにバケモノが叫ぶ。
俺の邪魔をするなと言わんばかりだ。
せっかく標的が五条たちに移ったのに。
しくじったなぁ。
バケモノが腕を振った。
その瞬間、3人それぞれにすごい速さで何かがとんでくる。
二人とも難なくかわしていく。
私だってこの二人には劣れど、運動神経は悪くない方だ。
躱そうと足に力を入れた時、右足をものすごい力で掴まれた。
地面からあいつの腕らしき部分が出ている。
振りほどこうと足に力を込めるが、呪術師といえど少女が呪霊に力でかなうはずもなく、
気づけばそれは目前にあった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!