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第12話

十二話
85
2021/08/07 08:49

最初に視界に入ったのは、見知らぬ天井だった。
家入硝子
家入硝子
ああ、目が覚めた?
 作業でもしていたのであろう、隣の机に座っていた少女がくるりとこちらを向く。

制服からしてもう1人の高専の子だろうか。
あなた

あの、ここは…?

 よくよく見れば、タバコをふかしている。

同級生は不良しか居ないのだろうか。
家入硝子
家入硝子
ここは私の部屋だよ
 そう言うと、私の寝ているベッドの前にすっと立つ。
家入硝子
家入硝子
私は家入硝子。ようこそ転入生
 そうだ。私は転入生なんだ。

色々ありすぎて実感がなかったが、改めて実感する。

ああ、こんな感情に浸ってる暇はない、こちらも名乗ろうと口を開こうとした時、
五条 悟
五条 悟
硝子!美味しいとこ持ってくなよ!
夏油 傑
夏油 傑
目が覚めたんだね、良かった
  ガンッという音と共に一気に部屋が騒々しくなる。
彼らはドアを開けるという行為を知らないのか。
夏油 傑
夏油 傑
ピザ、届いたよ
夏油 傑
夏油 傑
飲み物はコーラでいいよね?
五条 悟
五条 悟
コンビニで菓子テキトーに買ってきたぞ
  2人はズケズケと硝子の部屋に上がり込むと、我が物顔で準備を始めていく。
家入硝子
家入硝子
起き抜けのこいつにこれ食わせる気かお前ら
 あとせめてノックくらいはしろ。と、硝子が2人をこづくが、彼らに聞いている様子はない。

そして、急展開過ぎていろいろとついていけない。
五条 悟
五条 悟
あなた腹減ってねーの?
 急に話を振られてびっくりするが、
実際言われるとお腹がすいてくる。
あなた

減ってるけど…

五条 悟
五条 悟
なら食おーぜ!
 無理すんなよ。という硝子の言葉を背にそろそろと輪に加わる。

お腹はへっているのだ。ならば食べないという選択肢はない。
夏油 傑
夏油 傑
君も結構タフなんだね
 そういい夏油がケラケラと笑う。

気づくと、みんなもう机に乗ったピザを囲んでいる。
家入硝子
家入硝子
じゃ、歓迎パーティーとしますか

その言葉を皮切りに、どんちゃん騒ぎが始まった。

そのままみんなで寝落ちして、初日から夜蛾先生に怒られる羽目になったのは言うまでもない。

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