第112話

龍拘の野望
123
2023/06/17 23:24


 ヴィラン連合 アジトにて



 死柄木は酒の入ったグラスを小指を離して回していた。



 その死柄木の隣で、1人の男性が同じように酒の入ったグラスを回している。


死柄木弔
おい、お前



 横暴なその口調に怯むことなく、男性はゆったりと話す。


龍拘
龍拘
お前ではなく、龍拘とお呼びください



 ボサボサの髪。黒眼鏡。濁った空色の目のにある古傷。



 そして、何より特徴的なのが、血のついた白衣である。



 彼は龍拘。最近、ヴィラン連合に入った1人のヴィランである。


龍拘
龍拘
それでなんのようでしょう?


死柄木弔
お前の目的が知りたい
龍拘
龍拘
私の?


死柄木弔
あぁ。他の2人はステイン、ステイン
死柄木弔
が、お前は違う。ステインに興味がない


龍拘
龍拘
えぇ、私には大きな野望がありまして…


死柄木弔
野望?


龍拘
龍拘
えぇ、龍血を手に入れる、という野望でございます






オールフォーワン
それは興味深いねぇ……



 バーの一角にあるテレビから、新たな声が聞こえた。


死柄木弔
先生……!


龍拘
龍拘
貴方様がオールフォーワンですか



 龍拘は突然の裏のボスの登場にたいして驚きもなく、そう声を発した。


龍拘
龍拘
先程の発言、龍血をご存知と解釈いたしますが?

オールフォーワン
あぁ、古き友人の口から聞いたことがあってね
龍拘
龍拘
左様でございますか


龍拘
龍拘
死柄木様は?
死柄木弔
初めて聞いた


龍拘
龍拘
では、私の野望の前に龍血についてお話ししましょう


龍拘
龍拘
こんな御伽話をご存知ですか?



 そんな前置きをしてから、龍拘はゆったりとした口調で話し始めた。





 昔々……。



 それはまだ、個性も文明も築かれていない、遠い昔のこと。



 伝説の存在のドラゴンと若い人間の娘がいた。



 2人は種族は違えど、互いに愛し合っていた。



 神の気まぐれか、相思相愛の2人の間に1人の男の子を身籠った。



 男の子は人間の体をしているが、龍のような立派な能力を持ってこの世に誕生した。



 初めから男の子にははっきりとした自我を持っていたため、自分を「リュウ」と名付けた。



 リュウの願いは母親と同じ「世界平和」だった。



 リュウには特別な力がある。その力を使ってリュウは自分の枷となるものをなくした。



 寿命、願いには長期的な時間がかかるためなくした。



 悲しみ、たまに決断力が欠けてしまうことがあったのでなくした。



 仲間、不老不死のリュウを化け物と呼んでいたのでなくした。



 そして、珍しい能力を持つリュウは四方八方からの迫害を受け、余計に争いを生み出してしまった。



 今から幾星霜前に起こった超常黎明期に異能力者を迫害したように。



 自分の世界平和という願いが遠のいていくのを感じたリュウは、世界と何も関わらないように自分の存在を人間の記憶から消した。



 それから、彼は行方知らず。



 死んだのか、はたまた永遠の寿命で生きているのか。



 いずれにしろ、真相は不明である。




龍拘
龍拘
……以上です


荼毘
聞き覚えのある話だな



 そう彼らの会話に入ってきたのは、黒髪の好青年・荼毘だ。


龍拘
龍拘
ご存知のようですね
荼毘
よくある御伽話だ。真っ当にガキしてんなら誰だって聞く話だろ



 煽るように言われたそれは、死柄木の顔を少し歪ませた。


黒霧
それで、その御伽話と先程の龍血とはどのような関係が?



 グラスを磨く黒霧がそう尋ねた。



龍拘
龍拘
お話の中に登場した"龍のような立派な能力"
龍拘
龍拘
これの動力源は龍血と呼ばれる、伝説の存在の龍に流れる純白の血です
龍拘
龍拘
リュウは龍血を親の龍から受け継ぎ、最強と呼ばれる能力を手に入れた



死柄木弔
つまり、龍血を手に入れることができたら……


龍拘
龍拘
えぇ、自身の体内に取り込めば、適正があれば誰でも獲得可能なのです


みんな
!!




 その言葉に全員がハッとした。誰もが欲しがる新たな超常が手に入るのだと……!



オールフォーワン
だが、龍拘くん。その龍血を持っているのは、リュウという人物だけ。しかもその人物は生死不明だそうじゃないか



 しかし、龍血を持っているのは話の中に登場したリュウという人物だけだ。



 しかし、口に浮かんだ笑みは決して崩れなかった。


龍拘
龍拘
リュウは生きてますよ


みんな
!?



龍拘
龍拘
私が仕えている主人をご存知でしょう?


オールフォーワン
龍拘くんはチーム龍からスカウトされたと耳に挟んでいるが……


黒霧
チーム龍!?
死柄木弔
あの都市伝説のか……



 チーム龍。あなたが表舞台に出てから所々で噂され、いつのまにか都市伝説にされた組織である。



 もちろん、この情報を流したのは、竜が変装したルージュと情報屋のゼロ(初祖龍)である。


荼毘
まて、チーム"龍"?



 龍という言葉に反応した荼毘がそう尋ねた。


龍拘
龍拘
勘づいておられますね
龍拘
龍拘
リーダーの名前は、初祖龍。ここまで来ればお分かりですね?






龍拘
龍拘
そう、彼こそが純龍血の能力者。物語に出てきたリュウです



みんな
!!!!



 皆が驚いている中、オールフォーワンはそう言った声色は見せなかった。



 彼は知っていのだ。初祖龍という人物を。


オールフォーワン
龍拘くんは彼から龍血を摂ろうとしているのかい?
オールフォーワン
僕から言うよ。彼はやめておいた方がいい




みんな
!?!?



 悪の象徴と呼ばれる彼がそう言った。そのことにヴィラン連合は驚きを隠せなかった。

荼毘
理由は?
 
オールフォーワン
彼とは一度チェスで遊んだことがあってね
オールフォーワン
彼には緻密な策を考えないといけない
それも前代未聞の



 それほどまで言わせる初祖龍とは一体……?



 その場にいたヴィラン連合はそう思っていた。


龍拘
龍拘
まぁ、私も彼に正々堂々と勝てるとは思ってません
龍拘
龍拘
彼から血を摂ろうとは思ってませんよ
それに私は言いました






龍拘
龍拘
適正があれば誰でも手に入れられると


死柄木弔
他にもその龍血を持つものはいると?


龍拘
龍拘
えぇ、それに有名な人物ですよ
聞き覚えあるでしょう










龍拘
龍拘
濃度30%の龍血を持つ、雄英高校ヒーロー科の龍橋あなたを
(なまえ)
あなた
ブルッ


(なまえ)
あなた
(なんだ?急に悪寒が……)




オールフォーワン
一つ質問いいかい?



龍拘
龍拘
何なりと


オールフォーワン
君は何故そんなに龍血に詳しいんだい?
オールフォーワン
龍血が存在するかもどうかわからないのに






龍拘
龍拘
それは簡単ですよ



 そう言って龍拘は一つの本を見せた。




 その本は、先程彼が語った御伽話の本だった。




龍拘
龍拘
これを書いたのは、私ですから


優
なぁーんか、キリ悪い
優
てことで、お久しぶりです!優です!
優
テストも終わり、小説に本腰を入れたいが、両親がうるさいww
優
まぁ、隠れてやるけどさww

優
てことで、次回予告!

優
ついに始まった肝試し
優
そして上がる黒煙
優
あなたの前にはあの人が!
優
あなたと龍拘の関係とは!
優
伏線回収させてもらいます!
優
バイバイ!

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