第115話

ミライは、視えていた
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2023/09/12 10:05




(なまえ)
あなた
ウッ……
 
龍拘
龍拘
遅いですよ、全く……
龍拘
龍拘
貴方は優秀なんですよね?ヒーローですよね?
 
(なまえ)
あなた
やだ、やだぁ……



 あなたは龍拘に拘束されながら集合ポイントまで移動させられていた。



 あなたが"嫌だ"と拒否の言葉を唱えれば、すぐに龍拘が拳を上げた。




龍拘
龍拘
そろそろ着きます、他の方々にその醜さが示されないように



 あなたはここでは絶対にYESと答えなければならない。



 いまや、意志の関係なしにYES人間になっている。



(なまえ)
あなた
は、はい……




 炎が燃え盛る、山火事の中。



 待っていたのは、ヴィランたちだけでなく、爆豪と常闇を取り返しに来た緑谷、轟、障子の三人だった。



みんな
ッッ!!



 三人は無理やり連れてこられたあなたをみて、驚きの表情を浮かべている。



緑谷出久
あなたくんッ!




龍拘
龍拘
おや、ミスター
貴方の逃げ足はどうしたのです?

Mr.
人間ロケットで飛んできたんだよ!
Mr.
そんなことより、おまえの個性使って拘束しろよ!



龍拘
龍拘
ふむ、残念ながら私が拘束できる人数は1人だけなのです
龍拘
龍拘
そんなただの子供に拘束してしまえば、宝の持ち腐れですよ(笑)



 鼻で笑ってから、乱暴にあなたを荼毘に放り投げる。



 
龍拘
龍拘
ほら、目的の方です
龍拘
龍拘
ミスターも爆豪くんを確認してください



Mr.
それなら、右ポケットに……ん?


障子目蔵
!……やはりな
障子目蔵
今の行為ではっきりした!



 障子の手には二つのビー玉があった。


障子目蔵
さっきお前が散々見せびらかしていたこれが、常闇、爆豪だな。エンターテイナー!
緑谷出久
ナイス、障子くん!
轟焦凍
後は、あなただけ!


Mr.
あの短時間でよく!弄り上手め!

緑谷出久
ワンフォーオール……フルカウル!


 緑谷はフルカウル状態になり、瞬時に龍拘に近づき、あなたを抱えた。


遅っ!



 即座に隣にいた荼毘が蒼炎を放つが、轟が放っていた氷に阻まれてしまった。


荼毘
チッ、
 
緑谷出久
あなたくん、大丈……



 緑谷は抱えたあなたを見て固まった。



 今まで気づかなかったが、男装が解かれ、本来の姿になっているあなたに驚きが隠せなかった。


緑谷出久
え、女の、子……?
轟焦凍
緑谷、今は逃げることに専念しろ!



 轟の声にハッとしたのか、我に返ったが、頭の中は疑問でいっぱいだった緑谷はとりあえず走り出した。



 しかし、目の前に大きな影が現れた。


黒霧
合図から5分経ちました、行きますよ荼毘



 それはワープの個性を持つ黒霧だった。



 黒霧が展開するワープゲートに、次々とヴィランが飛び込んでいく。


荼毘
おい、まだ目標が……!



 そう言った荼毘の隣で、ミスターは落ち着いた口調で話す。


Mr.
あれはどうやら、走り出すほど嬉しかったみたいなんで、プレゼントしよう
Mr.
癖だよ、マジックの基本でね



 ミスターはゆっくりと仮面を外し、鳶色の目で緑谷たちを見る。


Mr.
モノを見せびらかす時ってのは見せたくないものがある時だぜ



 ペロッと出した舌の上にはビー玉が二つ乗っていた。


2人
(緑谷・轟)ま、まさか……



 パチンッ。



 ミスターは指を鳴らす。



 障子が持っていたビー玉から二つの氷が出てくる。


轟焦凍
俺の氷か!
Mr.
そう、氷結攻撃の際にダミーを用意し、右ポケットに入れておいた


緑谷出久
くそ!



 悪態を吐きながら、轟と障子はすぐに踵を返し、ミスターに向かう。



 緑谷は震えるあなたを地面に置き、少し遅れて走り出した。


Mr.
右手に持ってたものが右ポケットに入ってんのを発見したら、そりゃ嬉しくて走り出すさ



 ミスターはエンターテイナーのように綺麗なお辞儀をして黒い霧の中に溶けようとする。


Mr.
そんじゃ、お後がよろしいよう……



 ZAAAAAAAAP!



 突如、近くの茂みから青い光線が放たれた。



 それはビームの個性を持つ、青山のものだった。



 放たれたビームは、ミスターの顔面に勢いよく当たり、舌にのっていたビー玉が宙に浮いた。



 それに即座に反応した轟と障子はそれぞれのビー玉に手を伸ばした。



障子目蔵
ッ!



 障子は長い腕を伸ばし、常闇の入ったビー玉を手にした。



轟焦凍
ッ、



 轟も夢中になって手を伸ばす。



 パシッ。



 しかし、先に手中に収めたのは荼毘だった。



轟焦凍
くっ……


荼毘
悲しいなぁ、轟焦凍


荼毘
確認だ、解除しろ
Mr.
俺のショーが台無しだ……!



 パチンッ!



 ミスターが指を擦れば、障子の持つビー玉から常闇が、荼毘の持つビー玉から爆豪が飛び出してきた。




 荼毘は爆豪の首根っこ掴んだ、…………その時。







(なまえ)
あなた
"現実の時間は取っていないが、あなたの時間を取ってしまった"




 瞬間、世界の時間は止まった。



 時間を止めた者は、灼熱の炎のように決意を瞳に滾らせていた。



(なまえ)
あなた
現実の時間仲間たちは取らせない
あなたヴィランの時間を取ってやる












(なまえ)
あなた
私は偽善者でも仲間を助けたい





 少女の爛々と光る瞳はじっと爆豪を見つめていた。



(なまえ)
あなた
ミライは、視えていた




 世界が動き出した時、一つの変化が訪れていた。



 たったひとつ、それでも大きな変化だった。



爆豪勝己
……は?



 荼毘の手に捕まっていた爆豪は、緑谷たちの後方で座っており、代わりに荼毘の手にはあなたの首根っこがあった。




緑谷出久
あなたくん!?


荼毘
へー、今のが龍血の能力か
荼毘
爆豪手に入らなかったが、まぁいいか



荼毘
本当の目的はお前だしな




 そう言った後、大きな影に吸い込まれていった。



爆豪勝己
龍橋ッッッ!!!!



(なまえ)
あなた
……また、ね




 無情にも、大きな影は空気に溶けていった。



緑谷出久
うああああああああ!!!





 僕たちはあの日、




 ヒーローを目指すものとして、



 ヴィランたちに……














 完全敗北した。




 


 意識不明の重体15名。



 重軽傷者0名。



 行方不明1名。



 ヒーローは1名が行方不明となっていた。




優
久しぶり!優です!
優
今回は王道をいったよ!
優
やっと終わったぁ、ifばっか投稿して本当ごめんね
優
次はどうしよっかな……未定なんだよな
優
まぁ、次回もお楽しみに!((雑!
優
バイバイ!

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