第30話

wish
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2026/08/24 23:39 更新



〈末澤side〉






今日、この世に生まれて32年が経った。




メンバーはもちろん、先輩や後輩たち、
いつも応援してくれるファンのみんな、
裏で支えてくれてるスタッフさんたち。





今日という自分が生まれた日を祝ってくれた。




年齢も年齢なので、
口を揃えて「健康でいてね」と願ってくれる。






俺の隣に居るコイツも、同じことを言うわけで。






「誠也くん、長生きしてね」



「……ん、せやな」








これまでにたくさんの人に出逢って、
その中でもただひとり、愛おしいと想い合える
佐野と出逢った。







「今年も祝ってくれてありがとな」


「ふふっ来年も祝わせてな!」






きっとこの先も、来年も祝わせてほしいと
言われ続けるのだろう。





それなら尚さら、健康でできる限り佐野の隣に居たいと願ってしまう。











「……ねぇ、誠也くん」




「ん?どしたん?」




「ちょっとだけ目閉じててもらえる?」




「ん、わかった」





なんやろ。サプライズでプレゼントはもう貰ったし。






「目開けていいよ」




「え……晶哉これ……」







「誠也くん、結婚してください」








小さな箱から一等星のように輝くダイヤがついた指輪が顔を見せる。






「ほんまは夜景の見えるとことかのがええのかも知れんけど、ふたりで過ごした家がええなって思って……」







佐野の目に少し涙が浮かんでる。







「これからも誠也くんの隣に居させてほしい」






「……当たり前やんそんなん」




「へ?」




「晶哉、ずっと俺の隣に居って…グスッ…」







歳のせいか、涙腺だって緩んでいく。







「……ほんま?俺とずっと居ってくれる?」





「ふふっこれからも一緒に居ってや」





「誠也くん、ありがとう。離さへんからな」






「晶哉、今までも一緒に居てくれてありがとう」






しばらくの時間、強く抱きしめ合った。










 「なぁ、指輪はめてや」





「もちろん」







俺よりも大きな手がそっと左手を包んだ。






「……ぴったりやん笑」





「ふふっ誠也くん、誕生日おめでとう!」





「ありがとう」










ろうそくの火を消すとき、

人は願い事を唱えろと言う。



ひとつの願いは叶ったようだ。








"晶哉とずっと一緒に居れますように"










「誠也くん、愛してる」



「俺も愛してる」










end.







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