私は再び横になったてつおに毛布をかける。
お粥のお茶碗をキッチンまで運ぼうと、立ち上がろうとした時、てつおに腕を掴まれる。
そんなこと言ったらトイレ行けないじゃんって言ったらてつおはケラケラと笑う。
まあでも洗い物はあとですればいいや…
私はてつおが横になるソファの前に座る。
意識はあるけど目だけ瞑っているてつお。
あまりにも綺麗な顔に見とれてしまう。
付き合って少し経つけどてつおのこの綺麗な顔には全く慣れない。
凛とした眉。
瞳の大きな目。
ふっくらした唇。
昨日この唇にジスさんが……。
あーだめだ。こんなこと考えちゃ。
でもてつおに最後にキスしたのが私じゃないって考えたらいてもたってもいられない。
目を瞑ったまま、返事をするてつお。
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目を開けて完全「へ?」って顔してる。
付き合ってから私からキスしたいなんて言ったこと無かったらだと思う。
私は思わず笑ってしまうと
ってちょっと悔しそうな顔をして言う。
私はチュッとキスをした。
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って顔を手で覆って恥ずかしそうにしながらも驚いてる。
そう言うとてつおの耳が真っ赤になる。
でもやっぱりてつおが照れてるなんて気づかないあなたでした☺️
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!