罪善さんの作業終わってすぐに通知来たし…
あ、でもそっか、別に一時停止できるからなぁ…
そう思って画面を見る。
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【作業指示】
作業対象:罰鳥
作業内容:洞察及び収容室内の掃除
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……罰鳥?
罰鳥って、あの罰鳥?
ちっちゃくて、つぶらな瞳をしてて、昔リアルでもふもふしてみたいと思ったあの罰鳥ちゃんですか!!
うおおおおぉktkr!!!
私ここ来てよかった!!
念願の罰鳥に触れる!!
気がつくとセシル先輩が後ろから覗き込んでた。
というか、あれ、あまり好評じゃない?
可愛いじゃんあのもふもふ。
いやでも、そっか。アレ認知フィルター越しだもんね…
もしかしたら認知フィルター無かったらもっと怖い見た目をしてるのかもしれない…
あれ、そう考えるとなんだか無性に怖くなってきたぞ…gkbr
とりあえず向かってみることにしたものの、あの子があれよりもっと怖くなるとはやっぱり思えないな、うん。
気楽に行こうか!気楽に!
そして収容室に入ると……
かっ、かわっ、かわええぇぇええええ!!!!
何だこの天使は!!
ちっちゃいし首傾げてるしもう何もかもが可愛い!!
キュートちゃんみたいな反応だけど私は至って正常だ!!
いや誰だってこんな反応になるはずだ!!
あ、で、指示なんだっけ?
罰鳥ちゃんが可愛すぎて忘れちゃったてへぺろ☆
……まぁ冗談は置いておいて。
いやーリアルでもそんなに見た目変わらんね。
強いて言うならもふもふ感が増したって所かな。
ゲームのグラフィックだとそんなに質感再現とかされてなかったしね。
ちっちゃいから多分画素足りなかっただk(ゲフンゲフン)ちょっと表現出来なかったんだよ、うん。
…や、でもちょっとだけなら…モフってもバレへんよな…?
そぉー……
こ、こいつ、私の手を!
触ろうとした私の手をついばもうとしよってからに!!
あれか、嫌なのか!
触られるの好きじゃないんか!!
こんなんもう生殺しじゃないか!!
極上の可愛いもふもふがそこにあるのに撫でることは愚か触ることも出来ないなんて!!
これはもうダメだ…軽く死ねる…
そういえば罰鳥、ゲームでも愛着作業は低かった気がするな…仕様なんか…
こうして私の手が犠牲になりかけ、精神的に病みそうになりながらも何とか洞察用のレポートに必要事項を書き込み、作業を進めていく。
見れば見るほど仕草が可愛いんだよ、この子…
小鳥ってだけで可愛いのに、逃げずに首を傾げたり羽を広げたり…
……後は腹のアレが無ければ最高なんだけど。
そんな感じで作業を終わらせ、帰ろうとすると。
罰鳥が飛んできて肩に!私の肩に!!
サービスですか!!下げて上げるタイプでしたか!?
あなたツンデレですか!?
これは触っていいのですか!?
……ダメなようだ、残念。
ふと罰鳥の嘴を見ると、なにかくわえている。
何だこれ、首飾り?
くれるってことでいいの?
くれるらしい。
とりあえずつけてみようか。
…こんな感じかな?
あーこれ、つけてから思い出したけど、罰鳥のE.G.Oギフトじゃない?
たしか序盤にはちょっと有難いギフトだったような気もする。
何気にちょっと似合ってるかもしれんし、1発で貰えるとは運がいいのかな?
いやでも、今回はゲームのシステムはあんまり関係ないかもしれない。
職員同士の会話がちゃんとあるし、お世話の内容や指示とか、ゲームと違ってきたりしていてよりリアルさが増している。
つまり今回はアブノーマリティの機嫌を取れば高確率でギフトが貰えるのかもしれない!
だとしたら、確率1%とかのギフトも……
……いや流石に、そんな自殺行為はしたくないな、うん。
せっかく前世の記憶を持たしてくれたんだもん、無駄にはしたくないよね。
なんにせよ1発でギフトが貰えたということで、ルンルン気分でメインルームに戻ってきた。
よく見るとセシル先輩も罰鳥のギフトをつけてる。
おそろじゃん!!
……やはり確率は関係してそうだ。
あら、もう定時か、意外と早かったな。
でもまぁ普通に考えたらそうだよね。
前世で私が管理人の時は問答無用で残業させてたりとかしたんだけど、ここの管理人はそうでない事を祈る…!!
ビッービッー!!
突如として、私達の端末から警報音が鳴り響いた。
というかびっくりするわ!!地震速報並にびっくりしたわ!!
しかももうすぐ定時って時になんだコイツは!!
そう思い、端末を見てみると
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鎮圧指示
鎮圧対象:捨てられた殺人者
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えー……確かこいつよわよわのよわだった気がするんだけど。
こんなヤベー奴が脱走した時みたいなアラーム鳴らさないでくれよ…
え、しかも私行くんですか。
確かに鎮圧指示って出てるけども。
マップには脱走したアブノーマリティの現在いるフロアが示されてる。
行くしかないのか…
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オブジェクト番号:O-02-56
アブノーマリティ名:罰鳥
危険度:TETH
触らぬ小鳥ちゃんに祟りなし〜くわばらくわばら((((
友達があと2人いる。
触られるのは好きじゃない。
リョウコの一言
「触りたかったなぁ…」
セシルの一言
「危害を加えちゃダメだからね、絶対だよ?」
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。