第33話

☔️ 偽りの雨
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2023/02/12 00:06





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“ あの日 ”から私の全てが変わった。
天の呼吸を継ぎ、苗字を変えた。



天の呼吸の指南書を読み込み、
自分の呼吸と異なるところを直した。


少しでもリオに近付きたくて、
相応しいって思ってほしくて、



その為に何度、偽った事だろう?



辛い時には笑顔を浮かべて否定して、
その裏では自分の中の怒りと憎しみの感情が
暴れ回って、


その度に “ 大丈夫 ” と言った。



いつか本当に壊れてしまうかもしれない。
乾いた笑顔を誰かに向ける度に
私の心はきしんだ。



でも、貴方の事が大好きだったから。
ずっと一緒に生きていきたかった。


でも、それは叶わない事だったから。
仕方のない事だったから。



なら、せめて___。
君の望んだ鬼の居ない世界を作る。


これが私に出来る事。




鬼を1体倒せば何人の人が救われる?
上弦なら、無惨なら、もっと大勢の人が救われる。



だから私は、







負けちゃいけない。








童磨
童磨
可哀想に、辛い事があったんだね
聞いてあげよう、話してごらん


コイツはどこまで腐っているのだろうか。
その甘ったるい声に反吐が出る。


(なまえ)
あなた
辛いも何もあるものかっ
私はずっとお前の事が、嫌いだったッッ



今まで我慢していた事が
スルスルと声になって出て行く。

ずっとコイツを倒すだけの為に、生きてきた。


リオに救われた命。
必要とされてなかった私を救ってくれた
唯一の人。


もう生にしがみつかなくて良い。
自分の思うままに、___自由に、



時透 無一郎
時透 無一郎
……っあなた!


無一郎の声が耳に届く。
心細そうな、小さな声。


何も言ってなかったから。
私が復讐心だけの為に生き永らえている事、
本当はもう、死んだっていいって思ってる事。


何も言ってなかったのだから。




(なまえ)
あなた
………ごめんね、無一郎




そう謝罪の言葉を口にして
童磨へと走り出した。


後悔は何も無い。
むしろ今は___。





燃えるような熱さが身体中を支配していた。









最近、「 夢小説朗読 」という行為が
TikTok Twitter 等で問題になっているようです。


一応のため、私自身の小説も
鍵掛けさせて頂きます。


ご迷惑をお掛けし、本当に申し訳なく思っています。
騒ぎが落ち着き次第、
解除していきますので何卒宜しくお願い致します🙇‍♀️

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