第10話

つくも神
172
2019/04/25 06:54
霧雨魔理那
霧雨魔理那
レッラねぇーーー!!!
博麗霊羅
博麗霊羅
なんか既視感があるなぁ……
そう思いつつ、短めの金髪を揺らす少女からのジャンピング抱擁ほうよう(首絞め状態になるパターン)を受け止める。
博麗霊羅
博麗霊羅
どしたの?魔理那
霧雨魔理那
霧雨魔理那
なんか……あの……茶碗ちゃわんとか…小鉢が……
不確かな情報らしきものを聞く限り、次から次へと発せられる言葉の内容は、お皿、コップ、箸、空き瓶などの食器の名前だった。
博麗霊羅
博麗霊羅
食器がどうしたの?
霧雨魔理那
霧雨魔理那
なんか良くわかんないけどお母さんと妖夢さんと、幽祈が戦ってる!
わぁ凄い!    私も良く分かんない!泣
博麗霊羅
博麗霊羅
なんか良くわかんないけど、行こう!
霧雨魔理那
霧雨魔理那
もち!
現代っ子のように返事をした少女は、自分に空中飛行の魔法をかけた。
博麗霊羅
博麗霊羅
それ掛けれるならジャンピング抱擁は何だったの?
霧雨魔理那
霧雨魔理那
あ、途中で途切れるくらいしか魔力無いから宜しくって事
博麗霊羅
博麗霊羅
ア、ハイ。
まだ幼く、魔力も少ない事を改めて噛み締めながら、人里へ、魔理那と飛んで行った。













……………
霧雨魔理那
霧雨魔理那
お母〜さ〜ん!!!
霧雨魔理沙
霧雨魔理沙
魔理__那ァ!?!
言った通り、途中で魔法が切れ、魔理那は突然の急降下。
弧を描くでもなく、真っ直ぐ落ちる少女の姿は、誰が見ても冷や汗をかきそうになるだろう。
ましてや、それが家族なら……
霧雨魔理沙
霧雨魔理沙
魔理那ァァァァ!!!!!!!!!!!!!!!
【今までそんなに叫ぶ事が無かった大人の、貴重な叫び声】

と受け取るか、

【娘魂抜かれる瞬間の恐怖を感じる母親の叫び声】

と受け取るか。
そんな風にしか考えられないほどの叫び声を発して、魔理沙さんは魔理那を見事キャッチ。
魂魄妖夢
魂魄妖夢
お〜…
魂魄 幽祈
魂魄 幽祈
お〜…
博麗霊羅
博麗霊羅
お〜…
パチパチパチ



と、見事なキャッチに妖夢さん、幽祈、私は思わず拍手をしてしまった。
つくも神(小)
カラン…コロン……
その隙に、と言わんばかりに音を鳴らしたのは、霊羅が呼ばれる原因ともなった、つくも神。
つくも神(小)
カラン……コロンコロン……カランコロン…カランカラン……
お互いがぶつかり合うことで、食器が軽く触れ合った音が鳴る。
神の御力おちからか、はたまた、音を聞いて黙り込んでしまった魔理沙達のせいか。
食器がぶつかり合う音は、日常生活でなる音とは違い、脳に直接響くような、何とも言えない心地悪さを出していた。
博麗霊羅
博麗霊羅
ッ……なにこの音…
魔理那は、音を聞いてか、苦しいからか、魔理沙さんの腕から頭を出して、霊羅へ伝える。
霧雨魔理那
霧雨魔理那
飛んでる時ね、つくも神達が行列を作ってるのが見えた!!
霧雨魔理沙
霧雨魔理沙
行列……行列って言えば狸!
昔、狸がつくも神達を集めてる異変があって__…!
マミゾウ((化
マミゾウ((化
残念じゃが、それは違うぞ
つくも神の行列。
その単語に心当たりがあったはずの魔理沙の話は、一瞬にして、後ろから現れた見覚えのある人影によって打ち砕かれてしまった。
魂魄妖夢
魂魄妖夢
マミゾウさん!!
つくも神(小)
カラカラ………コロコロカラコロ……
魂魄 幽祈
魂魄 幽祈
__!

つくも神が音を変えた?
マミゾウの登場を境に、つくも神達は鳴らす音のリズム、波長を変え始める。
脳に響く音から、優しく、濁ったような音へ変えた。
マミゾウ((化
マミゾウ((化
魔理沙の言う通り、つくも神は儂らの良い仲間になるさ。
マミゾウ((化
マミゾウ((化
___だが、今回は違う。

こちらの狸一派も、何人か負傷するくらいにはな。
そういうマミゾウの後ろの草むらから、即席の担架のような物で、1匹に対して5,6匹に運ばれる狸達が、大勢出てきた。
マミゾウ((化
マミゾウ((化
協力して、あのつくも神を__……

いや、アレ⚫⚫を止めたいくらいじゃよ
霧雨魔理沙
霧雨魔理沙
アレ……?

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