《5話〜7話までのトド松目線のお話です》
(↑第2弾ですね)
日曜日の夜。
僕はあなたとのトーク画面を開いていた。
あなたにコーデはどうだったかと聞くLINEをしようかと思ったが、
自分から聞くのも何か違うよな、と思い今日ももう遅いし、と思って直ぐに画面を閉じた。
その時
ピロリン。
と手元でスマホの画面が開かれた。画面にはあなたからのLINEの通知が表示されていた。
今ちょうどLINEをしようかと迷っていたところにあなたからのLINEが来たため、少し舞い上がってしまった。
LINEの内容は「服を選んだお礼として日曜日に出かけたい」との事だった。
僕の思っていた通り、あなたは僕の気持ちに気づいてない。
もし気づいていたとしたら2人で出かけるような誘いは絶対にしない。
この気持ちを抱えているのも、もう、限界だった。
あなたに気持ちを伝えたい...。
でもこれで気まづくなって関係が壊れてしまったら...?
関係が修復できなくなってしまう方がよっぽど怖い。
今までに何度もあなたに告白しようと思った。
でも今の関係までも壊してしまうならいっそ伝えずに、現状維持のままの方がまだマシなのではないか、とずっと悩んで来た。
だけど、もうそれも、限界まで来てしまった。
恐れていても仕方がない。
気持ちを伝えずに苦しんで、後悔するよりは
気持ちを伝えて、例え今のように会うことが難しく後戻りが出来なくなってしまうとしても
この気持ちを伝えて後悔しよう!
次のあなたとのお出かけで、僕はあなたに告白する!!
そう強く決意した。
その固い決意があなたに悟られないよう、平然を装って、いつもの調子であなたにLINEを返した。
だが、出かける行先は告白にふさわしい場所にしようと思い、僕が指定する事にした。
そうして僕は行先を指定したLINEをあなたに送ったのだった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!