第7話

鈴木の気持ち
28
2019/06/09 01:55
源(げん)
源(げん)
いったい、何があったんだよ
中から鈴木の声が聞こえてきて

私は足を止めた。

パソコン室のドアは、開けっ放しに

なっている。

気になる気持ちをおさえきれず、

ドアに近づいてそっと中身を見ると、

鈴木と麻衣子が向かい合っていた


いじめ女子リーダー
いじめ女子リーダー
どうしたの、源くん
麻衣子は可愛らしい仕草で

首をかしげている。

源(げん)
源(げん)
最近あなたに嫌がらせしてるの
お前だろ?
鈴木は、今まで見た事のないような  

表情で麻衣子の前に立ちはだかっていた



いじめ女子リーダー
いじめ女子リーダー
え?なにそれ
麻衣子はおびえたように首を振った
いじめ女子リーダー
いじめ女子リーダー
私、そんなことしないよぅ
昨日、私に見せた態度とは全く違う

それにしても鈴木って

いつもふざけているようでいて

最近教室内での様子を、

ちゃんと見ていてくれたんだ

私は2人に見つからないように

ドアの影にさっと隠れた。

源(げん)
源(げん)
分かってんだよ。
あなた、ここんとこずっとおかしいし
お前がほかの女子たちを仕切って
あれこれやってることも、
俺は気づいてる。
いじめ女子リーダー
いじめ女子リーダー
だってあの子源くんになれなれしいから
麻衣子は訴えるような口調で言った
源(げん)
源(げん)
なれなれしい?
あいつになれなれしくしてるのは
俺だけど?悪いのは俺じゃん。
いじめ女子リーダー
いじめ女子リーダー
源くんは別に何も悪くないよ
源(げん)
源(げん)
俺が勝手にあいつのこと
好きになっただけなんだよ!
鈴木が張り上げた声が

廊下まで響いてきた
鈴木が私のことを

すき?
私はリュックの肩ひもを

両手でぎゅっと握った。
源(げん)
源(げん)
だからこれ以上、あなたに嫌がらせする
のはやめてくれ。気に入らないんだっ
たら俺にしろよ!
鈴木が麻衣子の目をじっと見ながら

真剣な口調で言った。

いつものキャラと全然違うせいか

余計に迫力がある。
いじめ女子リーダー
いじめ女子リーダー
私だってずっと源くんが…!
麻衣子がパソコン室から飛び出してきた。

ドアの影にいた私に気づいて、

一瞬にらみつけていったけど、

すぐに走りさった。

麻衣子は目を真っ赤にして

泣いていた

あんなにひどい嫌がらせをされたけど

この子はずっと、鈴木のこと

好きだったんだな。

そう思うと、胸がちくりと痛んだ。

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