私はどうしたらいいんだろう。
とまどいながらパソコン室に入っていった
鈴木は力が抜けたように、
足を投げ出してイスに座っていた。
頭をかき、天井をあおぐようにしている
私が近づいていくと、鈴木は
ビックリして立ち上がった。
そして、ぎこちなく笑いながら、
片手をあげる
私も同じように片手をあげた。
私は麻衣子が呼んでいたように
鈴木に呼びかけてみた
源くんは私から目を逸らして
近くの机に腰かける。
横を向いた源くんの耳が赤い。
照れてるのかな。
こんな源くん初めて見た。
自分なんか、クラス替え初日に
いきなり私のこと呼び捨てに
してきたくせに
私が声をかけると、
源くんがこっちを向く。
ダメだ。
鼻の奥がツンとしてきた。
涙が溢れそう。
私は、うつむいて、
ぎゅっと唇をかみしてた。
源くんかま近づいきて、
私のほっぺのをつかんでむにっと
左右に引っ張る
源くんは意外そうな
表情を浮かべて、
私の顔をのぞきこんだ。
そして私のほっぺたをプルプル揺する。
怒るわけないじゃん、って
言いたかったのに、
上手く声が出ない
私は源くんの顔を、下からにらみつけた。
源くんがようやく、
てをはなす。
そして私の横を通り過ぎて、
背中を向けてたつ。
ちょっと何それ?
こっちは真剣にお礼を言ってるって
言うのに。だいたい、
今日まで大変だったんだから!
まったくこいつったら全然
デリカシーがない!
私は振り向いて、
源くんの背中に向かって叫んだ。
そして、さっさと歩き出す。
源くんが両手を合わせて謝ってきた
私は無視して、そのままドアの方にむかう
は?ふざけないでくれる?
なによ、それ、
デートの誘いのつもり?
まったく、ムードがないんだから。
私だちは言い合いをしながら
一緒に帰った。
最初は大嫌いだったアイツ。
でも今は…。
自分でもびっくりするぐらい
大好きなアイツになった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。