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第8話

Happyend
27
2019/06/09 01:49
私はどうしたらいいんだろう。

とまどいながらパソコン室に入っていった

鈴木は力が抜けたように、

足を投げ出してイスに座っていた。

頭をかき、天井をあおぐようにしている

私が近づいていくと、鈴木は

ビックリして立ち上がった。
源(げん)
源(げん)
オッス
そして、ぎこちなく笑いながら、

片手をあげる
あなた
あなた
オッス
私も同じように片手をあげた。
源(げん)
源(げん)
まだ帰ってなかったんだ
あ、補習で居残りとか?
ひょっとして数学、赤点だったとか?
あなた
あなた
全然面白くないんですけど
源(げん)
源(げん)
悪かったな
あなた
あなた
源くん
私は麻衣子が呼んでいたように

鈴木に呼びかけてみた

源(げん)
源(げん)
なんだよ、急に
源くんは私から目を逸らして

近くの机に腰かける。

横を向いた源くんの耳が赤い。

照れてるのかな。

こんな源くん初めて見た。

自分なんか、クラス替え初日に

いきなり私のこと呼び捨てに

してきたくせに
あなた
あなた
ありがとね
私が声をかけると、

源くんがこっちを向く。
源(げん)
源(げん)
なんのこと?
俺、お前に礼を言ってもらう
ようなことしてねーし
あなた
あなた
ほんとにありがとう
ダメだ。

鼻の奥がツンとしてきた。

涙が溢れそう。

私は、うつむいて、

ぎゅっと唇をかみしてた。

源(げん)
源(げん)
もう、なんて顔してるんだよ
源くんかま近づいきて、

私のほっぺのをつかんでむにっと

左右に引っ張る
源(げん)
源(げん)
もう、なんて顔してるんだよ
あれ?怒んない?
源くんは意外そうな 

表情を浮かべて、

私の顔をのぞきこんだ。
源(げん)
源(げん)
おい、ほら?
どうしたんだよ?
そして私のほっぺたをプルプル揺する。
あなた
あなた
おほるわへ、ないひゃん
怒るわけないじゃん、って

言いたかったのに、

上手く声が出ない
私は源くんの顔を、下からにらみつけた。
源(げん)
源(げん)
なんだよ
源くんがようやく、

てをはなす。
そして私の横を通り過ぎて、

背中を向けてたつ。
源(げん)
源(げん)
つまんねぇなぁ、怒らないあなたとか
あなた
あなた
は?
源(げん)
源(げん)
お前、すぐムキなるじゃん。
その顔みてるのが面白いんだよね
あなた
あなた
は?
ちょっと何それ?

こっちは真剣にお礼を言ってるって

言うのに。だいたい、

今日まで大変だったんだから!

まったくこいつったら全然

デリカシーがない!

あなた
あなた
アンタなんか、
大っ嫌い!
私は振り向いて、

源くんの背中に向かって叫んだ。

そして、さっさと歩き出す。
源(げん)
源(げん)
いや、ごめんごめん、許してちょ
源くんが両手を合わせて謝ってきた
あなた
あなた
ぜーーーったい許さない!
私は無視して、そのままドアの方にむかう
源(げん)
源(げん)
帰りに奢るさらさぁ
あなた
あなた
けっこうです
源(げん)
源(げん)
ジュース飲みたくね?
あなた
あなた
のどかわいてない
源(げん)
源(げん)
あ、今日財布持ってなかった
あなた
あなた
なにそれ?
源(げん)
源(げん)
じゃあ今日はあなたのおごりで
は?ふざけないでくれる?
源(げん)
源(げん)
お願いしますよー
あなた
あなた
いやです
源(げん)
源(げん)
じゃあ、今度の休みの日
映画おごるからさぁ
なによ、それ、

デートの誘いのつもり?

まったく、ムードがないんだから。
私だちは言い合いをしながら

一緒に帰った。
最初は大嫌いだったアイツ。

でも今は…。

自分でもびっくりするぐらい

大好きなアイツになった

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