プリ小説

第3話

chapter3
明に軽く引っ張られながらも、しぶしぶ教室に入り、席につくと、担任と思わしき先生が入ってきた。
全員揃ったところで先生が短い自己紹介と今日の予定を話す。
しかし、私はそれどころではなく、不運にも隣になってしまった御島に、ものすごく睨まれていた。
先生は話に夢中で、ほかの人は蒼葉にほとんど気を取られており、誰も気づいていない。
つまり、私にとって最悪の事態になっている。
私は、御島と目を合わせないように必死に前を向いていたが、それも虚しく御島が話しかけてきた。やっぱり周りに性格がバレると嫌なのか、小声だった。そして、やはり不機嫌そうな声だった。
「ねえ。」
私は無視しようか正直迷ったが、さらに私の評価が下がるのもなんなので、返事をすることにした。
「……何?」
少し間が空いたことにイラついたのか、声色にさらにトゲが追加された。
「なんで俺らのこと知らなかったわけ?クラスの女子とかよく話すだろ?それとも最近引っ越してきたばっかとか?なあ?」
うっわ。めんどくさ。マジでこいつなんなんだよ。自分大好きか。しかも、友達大好きか。ホモかよ。ばーか。
……心の声がもうそろそろ顔に出そうなので、素早く答える。
「引っ越してきたとかはないよ。ただ単純に興味がなかった。それだけ。」
それを聞くと御島は怒りを通り越して呆れた顔になっていた。
「はあ…お前の神経おかしいわ。」
「失礼だね。あと、私は御島嫌い。」
私がスパッと言いきる。すると御島は驚き、何か言おうとしたが、ちょうど先生が話し終わり休み時間になったため何も言えず、蒼葉や荒木の方へ話しに行った。

ふう…何とかなった。そして、周りを見ると、あの三人の周りには女子が大量にいた。
それはそれはすごい数で、絶対他のクラスの人もいる数だった。
ちゃっかり明も紛れていた。
…やっぱり、イケメンに弱かったか。
あの三人も、あんなにちやほやされたら自意識過剰になるのも分かる気がしないでもない。
私の周りにはいつものように男子たちががわらわらと寄ってきて、もごもごしながら名前も名乗らずに質問をしてきた。
質問の内容は、好きな食べ物や好きな色、誕生日はいつか、好きなタイプの人や付き合ってる人はいるのかいないのか、などくっだらない質問だった。
なので、適当に受け流しながら教室を眺めていた。
そして琴葉もいることを思い出し、探してみると、何やら教室の中をキョロキョロとし始め、20秒くらい考えるような動作をして、雰囲気を掴んだのかよく分からないが、三人がいる方向へ歩いていった。すると、何故か私の方へぞろぞろと女子たちが集まってきた。三人のポカーンとした顔が人と人の隙間から見えた。
琴葉が何か言ったのだろうか。私の周りにいた男子たちを押しのけ、話しかけてきた。
さすが女子というところか、しっかりと名前を言ってから質問をしてきた。
質問の内容は大体男子と変わらなかったが。
てか、琴葉よ。君はあそこでときめいていた女子たちに何を囁いたんだ…。

休み時間も終わり、HRで先生が明日の予定を言い、帰る時間となった。
休み時間でLINEの友達が増え、色んな人に、また明日ね。と言われるので休むわけにもいかなくなってしまった。
まもなく琴葉がこちらへ来て、
「帰ろう!」
と言った。何やら満足気な表情だ。
私は歩きながら、
「うん。あと、何かいいことでもあった?」
と訊くと、よくぞ聞いてくれた!という感じの目をして、
「明日休めなくなって良かったな!!」
と、言ってきた。
「……は?」
「朝、あの顔が良い三人と揉めたんだろ?しっかり見てたからな!」
と、グッと親指を立ててきた。
くそっ。見られてたか…。
「謀ったな!」
…あ、しまった。ついつい感情的になってしまった。
「おお!久しぶりにそんな声を聞いたよ!!」
と、心底嬉しそうな声と顔で言った。
私は話をずらそうと、
「女子たちになんて言ったの?あれ。」
と、素早く言った。
「ああ、あれか。深樹のいい所を素直に言っただけだ!」
「それだけであの三人から離れるって…どんなことを言ったんだ…」
「んー。それは秘密だな!深樹もっと自分に自信を持った方がいいぞ!あの三人のようにな!」
「いや待てよ。あれは将来ろくな男にならないだろうよ」
「そうか?…そうだな!」
三人をもう一度思い出して分析したのか、やっぱりダメだ!と言い出した。

三人の本質を見破った琴葉は最強。と思いつつ他愛のない話をしながら家へと帰った。

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藍色りんご飴
藍色りんご飴
勉強に追われてます_(꒪ཀ꒪」∠)_ 投稿ペースが、かなり不安定です。。。
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