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第1話

出会い
61
2018/12/01 09:30
『ねぇ、何してるの?』

1人の私にそう話しかけてきたのは男の子だった。

『…なんでもいいじゃない』

私は泣き顔を見られたくなくてそっぽを向く。

『よくないよ、心配する』

こいつは人の気持ちも考えず私の顔を見ようとしてくる。
イラッときた私は涙を振り切って、

『っ!!なによ!人の気持ちも考えずに…!!』

と、振り向いた。そこには綺麗な真剣な顔があった。
ふと足を見ると。そう、足がなかったのだ。

『…あらら。気づかれちゃったか』

男の子は照れくさそうに頭を掻く。
…ゆう…れい?
私は驚きのあまり涙が引っ込み、目を丸くする。

『僕は、悠佑(ゆうすけ)。現役幽霊1年目です。』

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