第12話

決めんな
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2019/10/16 08:55
瀬口黎弥
あなたセンパイ。
瀬口黎弥
寒い。帰りたい。コイツ重い。



なにか分からないモンスターのでっかい人形を背負っている。



さっきゲーセンで自分で取ったくせに。


あなた

うるさい。

あなた

だからついてこなくていいって言ったのに

瀬口黎弥
日誌なんて明日書けばいーじゃん



そう、



あいつが私を連れて行ったせいで日誌かけてないし、

片付けのチェックも心配。






だから体育館に寄った。







私は独り言を発しながら作業を進める。

















すると急に、背中があったかくなって。









背後に瀬口がいて、

そいつに抱きつかれていることが分かった。




















瀬口黎弥
あなたセンパイ、俺とつき合って




何かが落ちた音がした。





ああ、


私が持ってた日誌か。







なんで瀬口はこんなにも私をからかいたがるのだろう。




あなた

こら、はなし…

瀬口黎弥
すき
瀬口黎弥
大好き


そう言って私をより強く包む。









あなた

わか、わかった

瀬口黎弥
わかってない
あなた

わかったってば

瀬口黎弥
うそつくな





.











瀬口黎弥
もっとちゃんとわかって




自分の心臓の動きが早まってるのを感じる。
















瀬口黎弥
悪ふざけとか、勝手に決めんな
瀬口黎弥
簡単に触ってるとか
瀬口黎弥
ドキドキしてないとか
瀬口黎弥
わかってねーくせに



今まで、瀬口の生意気な面ばっかり見てきて。



『好き』とか言ってきて。



ふざけてると思ってたけど、



あいつが本気だってことを感じることが最近多くて。



あいつのせいで、気が楽になるとこが多くて。




あいつに心が動くことがあって。













でも、とりあえず、私はいつでも、冷静に。




冷静に。




冷静に。















あなた

ちょ、

あなた

ちゃんと考えとくから一旦落ち着こうか!











ああ、




落ち着いてないのは、私だったか…








また振り回された気がする。











でも、ちゃんと考えなきゃだよね。、



関わりたくないって逃げてきたけど。












でもとりあえず今は、








あなた

もう帰る!また明日!






だってこの後一緒に帰ってなに話せばいいの?!









落ち着け、私。





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