第74話

第73話
442
2021/06/22 03:00
謙太郎・大我・瑞稀宅周辺ー
(なまえ)
あなた
やっぱり、私はいらなかったね
中村嶺亜
中村嶺亜
少なくとも俺はそんなこと思わないよ
(なまえ)
あなた
嶺くんは第三者だからね
中村嶺亜
中村嶺亜
でも、少なくとも瑞稀が変わったのはあなたのおかげだと思うよ
(なまえ)
あなた
瑞稀は最初から素直な子だったよ
中村嶺亜
中村嶺亜
それは俺も知ってる。だけど今までの瑞稀は兄弟仲最悪、進路なんて後回し、控えめに言って性格は悪い、そんな感じだったよ
(なまえ)
あなた
でも今の瑞稀に私は必要ないよ
中村嶺亜
中村嶺亜
そう見えてもおかしくはないよね
(なまえ)
あなた
瑞稀と勉強するとさ、私もわからなかったところわかったり、全然違う話されても休憩くらいになって面白かったり、ほんとに楽しかったんだよね
中村嶺亜
中村嶺亜
瑞稀はあなたに教えてもらわなかったら俺を越えられなかったよ
(なまえ)
あなた
なんで?
中村嶺亜
中村嶺亜
瑞稀は、ひとりじゃできないことが多すぎるから
(なまえ)
あなた
なんだかんだで放っておけない
中村嶺亜
中村嶺亜
そういうこと
(なまえ)
あなた
でも、瑞稀が変わったのが私のおかげだとしたら…
中村嶺亜
中村嶺亜
だとしたら?
(なまえ)
あなた
私はもう、自分のやりたいことをやる
中村嶺亜
中村嶺亜
いいじゃん
(なまえ)
あなた
でも1個だけやり忘れたことがあるな
中村嶺亜
中村嶺亜
何忘れたの?
(なまえ)
あなた
私がお兄ちゃんをフった理由、まだ言えてなかったなって
中村嶺亜
中村嶺亜
なんでふったの?
(なまえ)
あなた
私の好きな人がお兄ちゃんなのかわからなかったんだよね
中村嶺亜
中村嶺亜
うん
(なまえ)
あなた
だから、例えばそれで私が付き合っちゃって、私がほんとに好きな人がお兄ちゃんじゃないことに気づいた時、私だったらきっと、お兄ちゃんを傷つけると思うんだよね
中村嶺亜
中村嶺亜
あー、なるほど
でもあなたは別に謙兄のこと嫌いな訳ではないんでしょ?
(なまえ)
あなた
嫌いな訳ないし、むしろ好きだよ
中村嶺亜
中村嶺亜
ならそれはそれでいいんじゃないの?
(なまえ)
あなた
フりたくなかった
中村嶺亜
中村嶺亜
えっ、それって…
(なまえ)
あなた
ふりたくなかった!私は、お兄ちゃんをふるのだけは…それだけは、したくなかった
中村嶺亜
中村嶺亜
なら付き合えばよかったじゃん
(なまえ)
あなた
それもできなかった
私って、サイテーだよね
中村嶺亜
中村嶺亜
うん、ほんとにサイテー
(なまえ)
あなた
だけど、私はそのサイテーになる勇気がなくてフったんだよ
中村嶺亜
中村嶺亜
でも、あなたは勇気が無かったんじゃなくて、謙兄に本当の幸せを知って欲しかったんじゃない?
(なまえ)
あなた
本当の、幸せ?
中村嶺亜
中村嶺亜
うん、幸せ
(なまえ)
あなた
確かに私にはお兄ちゃんを幸せにすることは出来ないと思ったよ
でも私がお兄ちゃんに本当の幸せを知って欲しいかっておもったらそれはわからないよ
中村嶺亜
中村嶺亜
あなたがあの3人の中にいたらダメだと思った理由、それはきっと、3人の形を壊すと思ったからだよね
(なまえ)
あなた
それはそう!これ以上、瑞稀や大我、お兄ちゃんの兄弟に対する考え方を変えるのはダメだと思った
中村嶺亜
中村嶺亜
なら、あなたの本心はもうすぐそこにいるね
(なまえ)
あなた
えっ?
中村嶺亜
中村嶺亜
まだ見つからないと思う、でも、あと少しで見つかると思うよ

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