あなた『…お邪魔します…』
和也『はいタオル』
家に入るとタオルを被せてきた。
ふんわりと良い香りがする。
和也『すぐお風呂入れるな?』
あなた『分かりました』
和也『せや、恭平に連絡しいひんの?』
あなた『…』
和也『…分かったよ(笑)』
分かりやすく黙った私を見て笑った。
すると大橋さんはお風呂場へ向かった。
あなた『…』
今メールしないでよ。
余計に混乱しちゃったじゃん。
和也『…恭平からメール来た?』
あなた『…別に』
和也『…なぁ、なんでそうなったか聞いてもええ?』
そう言って近づいてきた。
そして私の手を優しく掴んだ。
タオルが落ちる。
和也『俺なら幸せにできるよ?』
あなた『…西畑さんも…似たようなこと言ってた』
和也『…へぇ』
そう言って一瞬怖い顔をした。
すぐに私を優しい笑顔で見た。
和也『大ちゃんにも狙われてるんや?』
あなた『…』
和也『他に誰がおるん?』
あなた『…藤原さん…』
すると顔が近づいた。
そして優しく唇を触った。
片方の手は腰に。
和也『…恭平とはどこまでしてんの?』
あなた『それはっ…』
和也『言えへんのや?』
すると耳元で囁いた。
和也『じゃあ、同じこと今からしよっか』
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。