第122話

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2022/08/01 12:03
あなた『道枝くんも、努力すればなれるよ』

駿佑『…そうは思えんけどな(笑)』

あなた『自信持つことが大事だから!』

駿佑『…そっかぁ』


そう言って道枝くんはふわっと笑った。

すると






丈一郎『…そろそろ返すか』


そう言って椅子から立ち上がって私の前に来た。





丈一郎『送ったる』

あなた『…どこに?』

丈一郎『お前の彼氏の所に』


その瞬間、胸がモヤモヤした。

もし、まだあの女の人がいたら?

もう2人は結ばれてたりして。






あなた『…嫌です』

丈一郎『ほら来い』


そう言って私の手を掴み、部屋から出た。

でも、その力は優しかった。







あなた『…なんで』


藤原さんの車の助手席に座った瞬間、そう言った。

藤原さんは無言で運転席へ。







あなた『答えてください』

丈一郎『…俺、卑怯な手は使いたくないねん』

あなた『…』

丈一郎『…ただの罪悪感や』

あなた『…罪悪感?』


藤原さんと恭平さんはお互い敵視しているものだと。







丈一郎『あいつは俺のライバルやからな』

あなた『…』

丈一郎『やから、正々堂々とやるつもりや』







丈一郎『今日のお前見て分かった』

あなた『?』

丈一郎『高橋から無理やり奪うのは違うって』













丈一郎『俺も努力するわ』















丈一郎『お前を手に入れるためにな』



そう言って運転をする藤原さん。

そう決心できる藤原さんが凄いと思った。

私だったら…

いや、考えるのはやめておこう。

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