第121話

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2022/07/28 13:01
事務所に着いて、藤原さんがドアを開けると


駿佑『…はぁ…』


そこにはため息をついて問題集を眺める道枝くんが。





丈一郎『帰ったで』

駿佑『おかえりなさ…え!?』


すると私を見て固まる。

口開いてて可愛い。





駿佑『な、なんで!』

丈一郎『拾ってきた』


そう言って私の頭に手を置いた。

そして優しく撫でる。





あなた『…犬じゃないです』

丈一郎『じゃあなんや、猫か?』

あなた『人間です!』

丈一郎『ふっ(笑)』


私は藤原さんから離れて道枝くんのいる机へ。

そこには沢山解いたであろうノートが。

そして沢山消した跡が。






あなた『…数学苦手なの?』

駿佑『…普通に前までは出来ててん…ここレベル高すぎるから…』


そう言って顔を赤くして俯く。







あなた『恥ずかしくないよ。大丈夫だよ』

駿佑『…情けない』

あなた『私も数学ちょっとは苦戦するもん(笑)』

駿佑『ちょっとどころか…』


すると藤原さんが来た。

黙って問題を見ると

ペンを持ってノートに式を書いていく。






駿佑『…めっちゃスラスラ書くじゃん…』

あなた『…合ってる!』

駿佑『え!?』


藤原さんって、頭良いんだ。

びっくりした。しかも模範解答まんまだ。





あなた『…頭良いんですね』

丈一郎『…まぁ、大学出てるし一応な』

駿佑『凄い!かっこいい!』

丈一郎『…』


すると照れたのか黙って自分の机へ向かった。







駿佑『あれが俺が仲間になろうと思った理由やねん』

あなた『…』

駿佑『俺の憧れなんや』


そう言った道枝くんの目はキラキラしていた。

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