あなた『今日は何時まであるんですか?』
運転席に座った恭平さんに聞く。
恭平『店が終わり次第やな』
あなた『じゃあ結構遅いんですね』
恭平『遅くなったら送るわ』
あなた『…分かりました』
恭平『また親が心配するからな』
そう言って頭を撫でた。
すると恭平さんは運転を始める。
あなた『…あれ、仕事場から離れてますけど』
恭平『仕事前行くって言ったやろ』
あなた『…』
すると着いたのは
ネックレスなどが沢山並んでいるお店だった。
いかにも高級そうな。
恭平さんは慣れたようにお店に入る。
私も慌ててついて行く。
『高橋様、いつもありがとうございます』
店員がそう言って頭を下げる。
いつも?
あなた『常連さんなんですか?』
恭平『あぁ』
あなた『…凄い…』
すると恭平さんが止まった。
見ている方を見ると
綺麗な薄いピンクのネックレスが。
あなた『…!?』
そこには
“600,000”
の数字が。
あなた『…た、たかっ…』
恭平『これええやん』
あなた『そんな!高すぎます!』
恭平『遠慮するな』
あなた『…でも…』
恭平『お前にはこれが一番似合う』
そう言って店員さんに黒いカードを渡した。
あなた『恭平さんも同じものを?』
恭平『あぁ、俺は銀にする』
あなた『…合わせて120万…』
恭平『金の事は気にするな』
そう言って頭を撫でる。
恭平さんは私を犬だと思っているのか。
まぁたしかに、撫でられると黙ってしまう私。
恭平『首輪付けなあかんかったから丁度良かったわ』
あなた『?』
恭平『お前はすぐ他の男に連れていかれるからな』
そう言って頬を優しくつまんできた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。