第123話

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2022/08/11 11:35
丈一郎『ほら、着いた』

あなた『…』

丈一郎『はよ行きや、俺の気が変わるうちに』


そう言って私の頭に手を置いた。

私は渋々車から出た。






丈一郎『素直に言いや、あいつ喜ぶわ』

あなた『…分かりました』

丈一郎『じゃ、またな』


そう言うと車を走らせた。

私はそこに立ちすくむ。








恭平『あなた!』

あなた『…っ』


すると後ろから勢いよく抱きしめられた。








恭平『俺が悪かった…ごめん』

あなた『…恭平さん』

恭平『愛してる』


私はゆっくり恭平さんから離れて

恭平さんの方を向く。









あなた『…あの人は誰ですか?』

恭平『…』

あなた『言えないなら、これで終わりですよ』


何故か強気でいられる。

私は恭平さんから離れていこうとする。







恭平『待って』


そう言って私の腕を掴んだ。

私はゆっくり振り返る。







恭平『…元カノ』

あなた『…そう』

恭平『でも、適当に付き合っとっただけで、好きになったのはあなたが初めてや』


そう言って私をじーっと見る。

私は恭平さんの頬に手を置いた。








あなた『よく出来ました』


そう言ってキスをした。

恭平さんは少し驚きつつ、すぐにがっついてきた。

お互いの吐息とリップ音が静かな空間に響く。









恭平『…はぁっ…許してくれた?』

あなた『…許します』


そう言った瞬間、私を抱きかかえて

家に入っていった。

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