普段は行かない高級レストラン。
目の前にはピカピカに光る指輪と真剣な顔付きの航平。
これから何が起こるのかは察していた。
けれど、いざ……となるとやはり緊張する。
もう私の答えはひとつしかないのに。
彼のことは忘れられない。
きっと、この先も一生。
だけど、彼のことは大好きだった……の。
そして、命の恩人。
ねぇ、結弦くん。
私は今、あなたのおかげで幸せだよ?
あなたが救ってくれたこの命があったから幸せなんだ。
あなたの分まで生きるから。
あなたの分まで幸せになるから。
私がお婆さんになって、そっちの世界に行った時
幸せのおすそ分けをするからさ。
ありがとう。
大好きでした、あなたのこと。
ずっと見守っていてください。
必ずあなたの元に行きます。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。