第23話

エピローグ
172
2021/06/27 10:01

朝の7時にアラームを止める。

私は台所で朝食作り。

斎藤 雪穂
斎藤 雪穂
航平!沙紀と芽衣を起こして!
吉川 航平
吉川 航平
はーい



私たちには今、宝物がある。


そう、5歳と3歳の娘、沙紀と芽衣だ。


この子たちが 「ママ」 と私を呼ぶ度に、

この子たちが一つ一つ出来ることが増えていく度に、


生きててよかったと……

いや、今この瞬間まで生きられていてよかったと感じる。


この子たちと出会えたのも

こんなに幸せな生活が送れているのも


全てあの時に結弦くんが助けてくれたからで。
沙紀
ねーねー!幼稚園ですごくカッコイイ人がいるんだ!ママの初恋はパパなのー?


ママの初恋はパパ……か。

そんな現実は中々ないけれど、この子達のピュアな夢も閉ざしたくない。

斎藤 雪穂
斎藤 雪穂
うーん……ママの初恋はブラックコーヒーかな。
沙紀
コーヒーさん?何それ!
斎藤 雪穂
斎藤 雪穂
沙紀が大きくなったら教えてあげるね
沙紀
うん!約束!ゆびきりっ!

結弦くん。

私は今、とても幸せです。


本当にありがとう。



私の初恋は……ほろ苦く甘い。


それはまるでブラックコーヒーのよう。



私の初恋は 「 ブラックコーヒーの味 」


❦ℯꫛᎴ❧

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