第11話

学校
160
2021/06/24 09:00

いつも通りの支度をして、いつもの電車とバスに乗る。

結弦くんが隣にいないことで、最近の徒歩通学はほとんどない。


川瀬 百合
川瀬 百合
雪穂さん?
斎藤 雪穂
斎藤 雪穂
えっ?ゆ、百合さん?

私に声をかけてきたのは、一目見るだけでもお嬢様という雰囲気が溢れている百合さん。

学年の中でも社長令嬢ということで有名だ。

彼女に仲のいい人といえば二人くらいで、あまり目立ちたがり屋なわけでもない。

だけど、彼女の美貌とオーラにみんな二度見してしまうほど。


そんな百合さんに声をかけてもらえるなんて。

川瀬 百合
川瀬 百合
峰川くんは?いつも一緒でしょ?
斎藤 雪穂
斎藤 雪穂
え……

どうしよう。

ここは正直に言うべきなのか?
でも、結弦くんの目が覚めた時、人に知られたくなかったとしたら?

どう言うのが今のこの場に適しているのか分からない。


そうだ。
斎藤 雪穂
斎藤 雪穂
あっ!ゆ、結弦くんね、今日休みなんだ
川瀬 百合
川瀬 百合
そう……

百合さんはそう言って私の元を去った。

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