────────次の日。
少年とグリムを間に挟んで中也と口喧嘩をしながら歩いていると、門の前に着く。
門の近くには昨日の羽付き帽子を被った生徒がいた。
苦笑いしながら言うと、羽付き帽子を被った生徒は「そうかい?」と小さく首を傾げた。
少年達が小声で話をしていると、遠くから「ルーク!」と誰かの声が聞こえた。
羽付き帽子を被った生徒は笑顔で去っていき、グリムからは「面倒臭い奴に目つけられたんだゾ」と哀れみの目を向けられる。
止めていた足を動かし、教室に向かう。
中也は敢えて別のクラス……其れも三年のクラスに行くことになった。
流石に、魔力のない人間が連続で同じクラスに入れば違和感を抱く。
一クラスの人数が更に増えてしまう上に、一緒のクラスに居るよりかはクラスを別にした方が何か起きた時にそれぞれで確認出来る。
ポートマフィアの五大幹部が二人して学校に通い、テストを受けなければいけない状況は中々に笑える気もする。
取り敢えず途中まで一緒に行き、廊下で中也と別れて僕と少年達は教室に向かった。
魔法学校だけあって変わった授業が多い。
しかも、魔力のない自分からすれば出来ない授業も当たり前にある。
座学以外にも昨日やったような飛行術や、まだやっていないが体力育成もある。
そんな事を考えていると、最初の授業を担当する先生が入って来る。白黒のシマ先生だ。
取り敢えず最初の授業の準備をしていると、先生が目の前に立ち、小声で話し出した。
この後、魔法解説学の授業を受けたが、昨日学園長から貰った教科書が重くて嫌になる。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。