朝、寮から学校へ移動している途中、メインストリートでユウとグリムの後ろ姿が見えたので「ユウ〜！」と声を掛ける。
ユウは俺を見て「おはようエース」と挨拶して来るが、俺はチラッとユウの真横にいた人に視線を移す。

ユウの隣に居た人は、細めの身体をしてはいるが、肩幅もあってガタイも割と良く、中性的な顔立ちをしている。
ただ、黒ネクタイに黒スーツ。黒コートに黒手袋……などなど全身黒づくめで何となくオクタヴィネルの寮服みたいだ。

ユウが異世界から来たという話は前に知ったが、まさか他にも同じ様な奴が現れるとは思いもしなかったので素直に驚く。
もう一度“寺戯”って人に視線を向けるが、無表情で黒服のせいもあってか、近寄り難い印象を受ける。

俺が言うと寺戯って人は「えぇ。本当に」控えめな笑顔を浮かべた。地味で腰の低そうな人だ。

ユウ達と別れた後、寺戯も流れ的にこれからユウ達と一緒に居ることになるのだろうかと考えたりする。
だとしたら、俺やデュースと同じクラスにもなるだろう。ユウと言う例外が既にいたからなるようになるものの、ユウがいなかったら俺も周りも何を言ったか。恐らく、俺の場合はユウ達に最初にした事を寺戯にもやってたかもしれない。
※ゲーム本編ストーリー序盤にて。

ナイトレイブンカレッジに入学して早々トラブルを起こして、デュースも含めて四人退学にさせられそうになったり、各寮の寮長達や副寮長がオーバーブロットして止めたり、学校が休みの間ユウ達が監禁されたり……本当に色々あった。

こういう突飛な事態が発生した場合、大体ろくなことがない。寺戯も災難だとは思うが、面倒事はなるべく避けたい。願うなら、何も起こらないで欲しい。
こういう突飛な事態が発生した場合、大体ろくなことがない。寺戯も災難だとは思うが、面倒事はなるべく避けたい。願うなら、何も起こらないで欲しい。寺戯もグリムや生徒達に振り回されながら過ごすことになるのだろうか。

※作者なりの“異世界”と“別世界”の使い分け。
ユウと寺戯にとってツイステッドワンダーランドは自分達が居た世界とは違う世界なので“異世界”。自分達の世界のことはツイステッドワンダーランドとは別の世界なので“別世界”と呼ぶ。
エース達からすれば、ユウ達の世界が“異世界”で、自分達のいるツイステッドワンダーランドはユウ達のいる世界とは別の“別世界”。


(例)
ユウ「僕も別世界から来たんだ。そしてここは(僕にとっての)異世界ツイステッドワンダーランドだよ」
↓これがエース達にとっては……
「お前もユウと同じで(俺達にとっての)異世界から来たの？」となる。
自分が既に違う世界にいると考えて、あくまで自分が元々いた世界が“別世界”。それとは異なる、自分が飛ばされた世界が“異世界”になる。