noside
『×月×日
奏汰君は絵も描けるんだね。
めっちゃすごい!
私の絵やばいよ。
直方体ですら描けるか危ういんだけど。
絵っていうのは、これからの人生、奏汰君の武器になってくれるもので、奏汰君の個性。
なおさら幽霊君なんておかしいと思う。
君は幽霊じゃない、『藍葉奏汰』なんだから。
↑ここめっちゃ大事!!
ここだから言うけどさ、私、もう少し奏汰君と一緒に居たら奏汰君のこと、好きになってたかも。
それは単純な恋愛感情なのか、雛が初めて見た人を親と思い込むあれなのか、よく区別はついていないけれど。
ぶっちゃけた話、私近いうちに自殺しようと思ってるの。
これは一種の逃げな気がするけどさ、それでもいい。
逃げる勇気を、君はくれた。
でも、ちゃんと遺書は用意するつもりだから。
もし遺書がなかったら、それは事故か殺人かな。
重い話をしちゃって、ごめん。
でも、君は後を追ったりしちゃダメよ。
どうしても君がその選択をするっていうなら私に君を止める権利はないけどさ、、、
とにかく、さよなら!
私こういうの適当なタイプだから。
一緒に居てよく分かってるでしょ。
生まれ変わったら、また会お?
そしたら今度は君の彼女っていうのになってあげる。
指切りだよ、奏汰君。
追伸:君のもとに溢れんばかりの幸福が降り注ぐことを願って。』
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。