相澤先生が私達を守りながら
アレは本物の“ ヴィラン ”だと言っている
“ ヴィラン ”とはみんなの口からよく聞く言葉だが
実際に“ ヴィラン ”を前にして、私達が戦っている
呪霊にどこか似てると思ってしまった
名前を呼ばれた方向を見てみると、私以外の生徒は
みんな入口に向かって逃げていた
ボーッとしていた頭を働かせ、私もみんなの元へ走る
そして私がみんなの元へと追い付いたと同時に
みんなの足も止まる
何事かと思い、後ろから人をかき分けて前に出ると
おそらく、ヴィランと思われる人物がいた
自分はヴィラン連合の者だと名乗るヴィランは
平和の象徴であるオールマイトに息絶えて頂きたい
と言っている
私にはコッチの世界の事情なんて知らないため
適当に話を聞き流していた
しかし突然、前の世界でいつものように感じていた
気配を感じた
BOOOON!!
切島と爆豪がヴィランの前に出て、攻撃を仕掛けた
もちろんヴィランそんな攻撃でやられるわけはなく
ピンピンしている
13号の声と共に、またもや切島と爆豪は懲りずに
ヴィランに飛びかかる
しかし、それと同時にヴィランが攻撃を仕掛けてきた
と、思っていた
上から気色の悪い声が聞こえた
呪霊だ
それも特級呪霊
どうして突然現れたのか不思議で仕方がなかったが
今はそんなことはどうでもいい
切島と爆豪目掛けて、上から呪霊が襲いかかっている
それを確認した私は、肩にかけていた刀を
素早く取り出して二人と元へと走り、2人の背中を
力強く押して、呪霊の攻撃を私が受けた
呪霊の攻撃を、両手で刀を握って止めた
頭が火山の形をした呪霊は落ち着いて喋る
私の焦りが相手に伝わらないよう、私も呪霊を真似て
落ち着いて喋る
先程の攻撃により、周りが砂埃で見えなくなったが
時間が経つにつれて、やっと周りの人の顔が見えた
呪霊も私を簡単に殺せないと悟ったのか、
お互いに一旦身を引いた
驚いた
まさか呪霊を目視できるとは
この出来事を流石に予想してなかったのか
呪霊も驚いている
やっぱり見える人と見えない人がいるみたい
爆豪は見えてるからいいけど、
他の見えない人達はどうやって守ればいいのだろうか
呪力さえあれば、みんなに呪力を与えて
呪霊を見させることが出来たのに
呪力を持たない私は無力同然
呪霊が私に指を指して質問してくる
呪霊の問いに対して私は、
「 東京都立呪術高等専門学校の1年、禪院あなた 」
と名乗りたいところだが、今はみんなの前なので
安易にそんなことは言えず、ポケットに入れていた
高専の学生証を見せる
どうやら火山頭は漏瑚という呪霊らしい
アイツの術式は火山にちなんで、火を使えるのでは
ないだろうか
こんなに言葉が通じる呪霊は初めて出会った
会話も成り立っているし、相当強い呪霊だろう
でもどちらにしろ厄介
私が武器をもう一度構え、攻撃の体制を整えると
刀を振り下ろす暇もなく、ヴィランによる個性 (?)
のせいでワープしてしまった
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!